営業でも、飲食店でも、リーダーに必要なことは?
おはようございます。
ホスピタソン勝田耕司です。
「そりゃ、タナボタだな。」
僕は、営業会議終了後、この一言を発したリーダーを呼び出して、思いっきり叱りました。
このクライアントは、飲食店さんに商品を販売している会社。先日、営業会議で、1人の新人営業マンA君の報告がありました。営業始めて数ヶ月のA君は、自信なさそうに、下向き、小声で、この月の活動報告をしました。
その中で、「今月はじめて、たまたま飛び込んだ■■■居酒屋さんに、●●●円の商品を買ってもらえました!」と、少しだけ嬉しそうに報告する場面がありました。
次の瞬間、多くの営業マンから「やったな!」というコメントとともに、拍手が沸き起りました。しかし、次の瞬間、この喝采を打ち消すように、リーダーのTさんから、「そりゃ、タナボタだな。」って発言が出たのです。
A君は、営業マンとしてスタートして依頼、毎日、毎日、30店くらいの飲食店を訪問していました。「先輩の営業マンと比べて何もできないので、今出来ることは飲食店さんに顔を出すことくらいなんです。」と公言して、雨が降ろうが、嵐になろうが、毎日、毎日、飲食店さんに訪問を続けていました。
この努力を知っている周囲のメンバー達は、「営業の基本を思い出させてくれているよな」「あいつ、いつか結果だすぜ。」「飲食店さんが一番して欲しいことやってるよな」って、評判になっていました。だからこそ、この成果に拍手喝采が起こったわけです。
僕の営業経験でも、クライアントの営業マンをみていても、この地道な訪問量の継続は、目を見張るものがありました。
しかし、リーダーのTさんは認めなかった。このTさんは、会社の売上を担うトップセールスマン。何をやらせてもソツなくこなし、どんなクライアントをも唸らせる実力者。後輩の営業マンの憧れでもありました。
このTさんも、2年前に部下をもち、マネジメント業務を担ってから少し様子がかわりました・・・そう、メンバーが頻繁に辞めるのです。残っているメンバーからも不満も上層部に聞こえてきます。
僕は、呼び出したTさんに言いました。「タナボタの意味は、思いがけない好運を得ること。労せずしてよいものを得ることのたとえです。A君は、何もせずに、今回の成果を手にしたと思う?」と。
すると、Tさんは吐き出しました、、、「アホでもできる顔出し営業を重ね、たまたま飛び込んだ飲食店さんから受注したんですよ!タナボタでしょ。タナボタ。」
「Tさん、もし、A君が、事務所から一歩も出ずに、たまたま取った電話で、注文を受けたとしたら、これはタナボタですよね。でも、A君は、ここ数ヶ月、飲食店を毎日、毎日、30店以上まわっていましたよね。これは、タナボタではなく、成果を手に入れる行動として認めるべきだと、僕は思います。」
「・・・・」
「それに、Aさんのノートをみたことありますか?訪問した飲食店さんの特徴や要望がビッシリと書かれているんですよ。別のノートには、何度も何度も書き直された営業トークがあります。それに、毎朝、チームメイトをつかまえて、飛び込み営業の練習しているのをご存知ですか?」
「・・・・・・・・・・」
「Tさん、あなたはリーダーになっても、自分中心の仕事スタイルを続け、自分のレベルに達しない部下をケチョンケチョンに詰める日々。あげくの果てに、社員を辞めさせ、残った営業マンにそのしわ寄せがきている。それでいいんですか!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
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それから、1週間ほど経った頃、このクライアントの社長から連絡がありました。
「勝田さん、Tリーダーが、大変なことになっていますよ!」
「えっ、どうしたんですか?」
「はい、頭坊主にして、メンバー集めて、謝ったらしんですよ。」
「えっ、何か悪いことしたんですか??」
「いえね、自分がリーダーになってから、数名の社員が辞め、残っている社員に負担かけていることですよ。あと、ほら、先日の営業会議の“タナボタ”発言も、A君の地道な努力を認められなくて、、て。頭丸めて、頭下げたたらしいんです。」
「へえ〜、Tさんみたいにプライド高かったら、中々できないことですけどね〜。で、メンバーの様子はどうですか?」
「はい、これからどうなるかは、Tリーダーの行動変化にかかっていると思いますが、何か空気がかわり始めてますよ。」
「そうですか!今後が楽しみですね!!」
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Tリーダーは、何かに気付いたようです。
そして、松下幸之助さんの言葉を思い出します。「部下の良さ、偉さがわかるか。自分の部下が100人いるなら、自分の偉さは本当は101番目なんだと思える人が真のリーダーだ。」
リーダーは、地道な努力している部下を認めることを怠ってはいけません。
リーダーは、全ての部下の全ての時間を見れるわけではありませんが、見えない時間を見る努力をしなければいけないのです。
あなたは、そのためにどんな工夫ができますか?
ー勝田耕司