こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆を深め、従業員同士の信頼関係を築き上げ、商品・サービスの独自性を強化します。そして、持続的成長につながる経営の仕組みです。
人事評価の面談で、あなたは、何を、話していますか。多くの会社では、「改善点」——つまり、その人の「弱み」や「できていないこと」が、話の中心になります。「ここが、足りない」「これを、克服しなさい」。そして、社員は、自分の弱みを、直すことに、エネルギーを、注ぐ。これが、正しいマネジメントだと、誰もが、信じています。ところが——世界最大規模の、管理職の研究は、この「常識」が、根本的に、間違っていることを、突き止めました。今日は、人の力を、最大限に引き出す空気の、本当の作り方について、お話しします。
―8万人の管理職、100万人の社員を調べて、分かったこと
調査会社ギャラップは、数十年をかけて、途方もない規模の研究を、行いました。8万人を超える管理職と、100万人を超える社員への、徹底した調査。その目的は、ただ一つ。「世界で、最も優れた管理職は、平凡な管理職と、いったい、何が違うのか」。
その成果をまとめた、マーカス・バッキンガムとカート・コフマンの著書は、こう題されています。『まず、ルールを破れ(First, Break All the Rules)』。なぜ、「ルールを破れ」なのか。それは、最も優れた管理職たちが、従来のマネジメントの「常識」を、ことごとく、破っていたからです。そして、その中でも、最も重要な、常識破りが——「弱みを、直そうとしない」ことだったのです。
―優れた管理職は、「弱みを直す」のではなく、「強みを活かす」
従来の常識は、こう教えます。「人は、努力すれば、何にでも、なれる。だから、弱みを、克服させよ」。ところが、世界最高の管理職たちは、これを、きっぱりと、拒否していました。彼らは、こう考えていたのです。「人は、そう簡単には、変わらない。欠けているものを、入れようと、時間を無駄にするな。もともと、その人の中に、あるものを、引き出せ。それだけでも、十分に、難しいのだから」。
彼らは、一人ひとりの、ユニークな「強み(才能)」を、見つけ出し、その強みが、最も活きる場所に、その人を、配置した。弱みは、「克服させる」のではなく、「管理する」——つまり、その弱みを補える、別の強みを持つ人と組ませたり、支える仕組みを作ったり、あるいは、その弱みが問題にならない役割に、移したりした。弱みの修正ではなく、強みの配置。これが、最高の管理職の、共通点でした。
なぜ、これが、効くのか。神経科学的にも、人の脳の、支配的な回路は、おおむね15歳頃までに、形づくられると言われます。後から、知識やスキルは、足せても、根本の「才能」を、丸ごと入れ替えることは、難しい。だとすれば、乏しい才能を、必死に補うより、豊かな才能を、伸ばすほうが、はるかに、効率的で、そして、はるかに、楽しいのです。
―強みを毎日使える人は、エンゲージメントが6倍
数字が、それを、裏づけています。ギャラップのデータによれば、「自分の強みを、毎日、仕事で使えている」と感じる人は、そうでない人に比べて、仕事への熱意(エンゲージメント)が、なんと「6倍」も高く、より生産的で、より「人生の質が高い」と答える。強みを活かせる空気は、社員の力を、桁違いに、引き出していたのです。
ここに、透明資産経営の、核心があります。多くの会社の空気は、「弱み修正」の空気です。評価面談で、欠点を指摘し、克服を迫る。社員は、自分の「できないこと」ばかりを、意識させられ、委縮し、自信を失う。ところが、最高の管理職がつくるのは、「強み配置」の空気です。一人ひとりの「できること」「光るもの」を、見つけ、それを活かす場所に、配置し、伸ばす。社員は、自分の強みを、認められ、活かされ、生き生きと、力を発揮する。同じ社員でも、どちらの空気の中にいるかで、引き出される力は、6倍も、違うのです。
―あなたは、「できないこと」ばかりを、見ていないか
さあ、あなた自身を、振り返ってください。あなたは、社員の、「弱み」「できていないこと」ばかりに、目を向けていないでしょうか。評価面談で、改善点ばかりを、並べていないでしょうか。社員一人ひとりの、「強み」——その人にしかない、光るものを、あなたは、言えるでしょうか。そして、その強みが、最も活きる場所に、その人を、配置できているでしょうか。
もし、あなたの会社が、「弱み修正」の空気なら——社員は、自分の欠点を補うことに、消耗し、本来、強みを発揮すれば輝けたはずの力を、眠らせたまま、過ごしているのかもしれません。それは、社員にとっても、会社にとっても、大きな損失です。
―「強みを活かす空気」を、設計する
だから、「弱み修正」の空気から、「強み配置」の空気へと、転換してください。第一に、一人ひとりの「強み」を、意図的に、見つけ出す。何をしているとき、その人は、生き生きしているか。何が、人より、自然に、うまくできるか。第二に、その強みが、最も活きる場所に、人を、配置する。役割を、人に合わせる。第三に、弱みは、「克服させる」のではなく、「管理する」。補い合えるチームを組み、支える仕組みをつくる。第四に、評価や対話の中心を、「できていないこと」から、「強みを、どう、もっと活かすか」へと、移す。
想像してみてください。あなたの会社の社員一人ひとりが、自分の弱みに悩むのではなく、自分の強みを、毎日、思う存分、発揮して、6倍の熱意で、輝いている様子を。それは、あなたが、優秀な人を集めたからでは、ありません。あなたが、一人ひとりの中に、もともとある「強み」を、見つけ、活かす空気を、設計したから、です。人は、変わりません。欠けているものを、入れるのではなく、もともとあるものを、引き出す。それが、最高の管理職が、破った「ルール」であり、あなたが、設計すべき空気なのです。
―勝田耕司