『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】名前を呼ぶ――人が、最も聞きたい響き

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆を深め、従業員同士の信頼関係を築き上げ、商品・サービスの独自性を強化します。そして、持続的成長につながる経営の仕組みです。

「人の名前は、その人にとって、どんな言葉よりも、甘美で、大切な響きである」。——これは、人間関係の古典的名著『人を動かす』で、デール・カーネギーが記した、有名な原則です。単純なようで、深い。人は、自分の名前を、正しく覚えられ、呼ばれると、「自分は、この人にとって、意味のある存在だ」と、感じる。逆に、名前を間違えられたり、覚えられていなかったりすると、「自分は、その他大勢の一人にすぎない」と、感じてしまうのです。

―「おい」「そこの君」ではなく、名前で、呼ぶ

考えてみてください。挨拶にも、二種類が、あります。「おはよう」と、ただ言うのと、「〇〇さん、おはよう」と、名前を添えるのとでは、受け取る側の心に、届くものが、まるで違う。前者は、通り一遍の、儀礼。後者は、「私は、あなたを、他の誰でもない、あなたとして、認識しています」という、個人的な、承認です。名前を添えた、たった一言の挨拶が、相手を、匿名の存在から、固有の存在へと、引き上げる。

これは、社員に対しても、お客様に対しても、同じです。お客様の名前を覚え、「〇〇様」と呼ぶ。社員一人ひとりの名前を、その人の仕事ぶりとともに、覚えている。それだけで、相手は、「この会社は(この経営者は)、私を、大切な一人として、見てくれている」と、感じる。名前を呼ぶことは、最も安上がりで、最も個人的な、承認の技術なのです。

―「名前で呼び合う空気」を、設計する

ここに、透明資産経営の設計原理があります。承認と、絆の空気は、大きな仕組みだけでなく、「名前を呼ぶ」という、日々の、ささやかな行為の、積み重ねから、できています。そして、これは、意図して、設計できる。

さあ、あなた自身に、問いかけてください。あなたは、社員全員の名前を、正確に、覚えているでしょうか。挨拶をするとき、名前を、添えているでしょうか。お客様を、「お客様」という、匿名のかたまりとしてではなく、一人ひとりの、名前を持つ存在として、扱っているでしょうか。もし、あなたの会社で、人が「おい」「そこの君」「担当者」といった、匿名の呼び方で、扱われているなら——そこには、承認の空気が、育ちにくくなっています。だから、「名前で、呼び合う」ことを、あなたの会社の空気として、設計してください。あなたが率先して、社員を、名前で呼ぶ。お客様の名前を、覚える努力をする。名前を呼び合える、そんな関係を、育てる。想像してみてください。あなたの会社で、社員が、お客様が、匿名の存在としてではなく、それぞれの名前で呼ばれ、「自分は、ここで、固有の一人として、大切にされている」と感じている様子を。人が、最も聞きたい響きは——自分の、名前なのです。あなたは今日、何人の名前を、呼びましたか。

―勝田耕司