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COLUMNコラム

現代には透明資産マーケティングが必要

 

一過性のニーズや流行を追うのではなく、社会に存在する普遍の真理にアプローチすることが、変化に対応できる事業を作り上げることにつながります。

 

ここで、透明資産について簡単にふれておくと、その本質は「言語化できない重要なもの」にあります。たとえば、お店の雰囲気やスタッフたちが作る空気感など、お客さまの感情や行動につながる要素です。

 

雰囲気というのは、何となく感じられるプラスやマイナスの感情を意味します。飲食店であれば、それがプラスにはたらいていると繁盛し、マイナスに働いていると選ばれないお店となってしまいます。

 

とかく経営というと、目に見えるものを改善してようと努力するものです。たとえば、商品やサービスをより良くすれば、それだけで業績が改善すると思っている人は多いのではないでしょうか。たしかにそれらも、重要なことではあります。

 

一方で、どれほど良い商品を作っても、あるいは革新的なサービスを生み出しても、それがお客さまに受け入れられなければ意味がありません。知ってもらい、理解してもらい、共感してもらいながら受け入れておらえなければ、選ばれることはありません。

 

仮に90点のチカラのある商品が40%しか伝わっていなければ、40点以下の魅力でお客さまは理解します。これでは全てが無駄になってしまいます。たとえば飲食店であれば、ただ美味しい料理を提供しているだけで、お客さまが「また来たい!」「通いたい!」と思うとは限りません。

 

なぜならお客さまは、料理だけでなく、食事をする空間や接客などのサービスも含めて評価するためです。

 

お店に入ったとき、側にいる店員が「いらっしゃいませ!」と元気よくあいさつできているか、それとも無愛想にしているかだけで、お客さまが感じる印象は大きく変わります。またキビキビ動いているか、目配り・気配りが十分かなどによっても同様です。

 

一見すると、小さな行為のように思われるかもしれませんが、それらのひとつひとつの行動がお店や企業の空気を作り、雰囲気を醸成していきます。そのような空気を作れてこそ、透明資産を活用できていると言えるでしょう。

 

お客さまは、聡明資産によってもたらされた雰囲気を、敏感に察知しています。提供される商品やサービスそのものだけでなく、目に見えない透明資産によって、また来たいと思うか、もう二度と来たくないかを判断しています。

 

そのお店の透明資産に心を打たれた人は、自ら口コミを発信してくれるようになるでしょう。そうなれば、お店が発信する情報だけでなく、第三者の視点からも有力な情報発信が行われ、結果的にさらなる支持拡大につながります。

 

そうした好循環を生むためには、自社の透明資産を理解し、それを生かした経営や店舗運営をしていくことが求められます。それこそ、社内全体に透明資産の発送が広まっていれば、どんな時代でも、社員一丸となって事業を盛り上げることが可能となります。

 

少なくとも、ソーシャルメディアやSNSをはじめとするツールに頼る姿勢は、是正していく必要があります。すでに述べたように、それらのツールはもはやインフラであり、活用することはアドバンテージを生みません。

 

使うかどうかではなく「何のために使うか」「どのようなことを伝えるべきなのか」「それはなぜなのか」という視点に立ち返ることが今後は不可欠です。そのために、透明資産マーケティングへの理解を深めていきましょう。

 

*引用;『新戦略 今日から逆風に打ち勝つ会社に変える「透明資産」実践ビジネス活用術』(勝田耕司著・秀和システム刊)

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