『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】経営者は「有能さ」で認められようとして、失敗する――まず、温かさを見せよ

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆を深め、従業員同士の信頼関係を築き上げ、商品・サービスの独自性を強化します。そして、持続的成長につながる経営の仕組みです。

新しくチームを率いる立場になったとき、多くのリーダーが、同じ罠にはまります。まず、自分の「有能さ」を、証明しようとするのです。過去の実績を語り、鋭い戦略を打ち出し、「私は、この役割にふさわしい」と、示そうとする。ところが——これは、罠です。人の心は、そういう順番では、動かないのです。

―人は、まず「温かさ」で、次に「有能さ」で、相手を測る

ハーバードの社会心理学者エイミー・カディらは、こう説きます。人は、他人を、二つのものさしで、評価している。「温かさ(信頼できるか=あなたは、私に、良い意図を持っているか)」と、「有能さ(強さ・能力)」。そして——ここが決定的です——人は、まず「温かさ」を判断し、それを、より重く、評価する。なぜなら、相手が、自分にとって、味方なのか敵なのか、その意図を知ることが、何より重要だからです。有能さは、その「後」に、判断される。

この順番を、リーダーは、しばしば、取り違えます。温かさ(信頼)を示す前に、有能さ(強さ)を、先に見せてしまう。すると、どうなるか。カディらは言います。信頼という土台がないまま示された有能さは、「頼もしさ」ではなく、「脅威」として、受け取られる、と。人々は、あなたを、恐れる。そして、恐れられたリーダーの有能さは、活かされることが、ありません。逆に、まず温かさで信頼を築けば、あなたの有能さは、「脅威」ではなく、「贈り物」に、変わるのです。

―「まず、つなぐ。それから、率いる」

ここに、透明資産経営の、根幹があります。信頼という空気は、あらゆる経営の、土台です。そして、その信頼の空気をつくる、最初の一歩が、「温かさ」なのです。では、温かさは、どうやって伝わるのか。最も安上がりで、最も直接的な信号——それが、「挨拶」と「感謝」です。心のこもった挨拶は、「私は、あなたを、一人の人間として見ています」という、温かさの信号。「ありがとう」は、「私は、あなたを、大切に思っています」という、温かさの信号。これらが、有能さの「前」に、信頼の土台を、築くのです。

さあ、あなたは、社員に対して、どんな順番で、向き合っているでしょうか。まず、成果を要求し、指示を飛ばし、あなたの有能さや厳しさを、先に、突きつけていないでしょうか。だとしたら、社員は、あなたを、頼もしいリーダーではなく、「脅威」として、感じているかもしれません。カディらの教えは、明快です。「まず、つなぐ。それから、率いる(Connect, then lead)」。有能さを示す前に、温かさで、つながる。その順番を、意図して、設計してください。朝、あなたから、温かく挨拶する。社員の働きに、まず、感謝を伝える。戦略や要求は、その、温かさの土台の「後」に、置く。想像してみてください。あなたが、まず温かさで信頼をつくったとき——あなたの有能さが、脅威ではなく、社員にとっての「贈り物」として、迎えられる様子を。温かさは、有能さの、対極では、ありません。有能さを、活かすための、土台なのです。

―勝田耕司