『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】「私は、ただの、病んだ体だった」――たった一つの自己紹介が、世界を変えた

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆を深め、従業員同士の信頼関係を築き上げ、商品・サービスの独自性を強化します。そして、持続的成長につながる経営の仕組みです。

イギリスに、ケイト・グレンジャーという、若い医師がいました。高齢者医療を専門とする、志ある医師です。ところが2011年、彼女自身が、末期のがんと、診断されます。そして、患者として、入院したとき——彼女は、あることに、打ちのめされました。自分を診てくれる医療スタッフの多くが、名乗りもせず、自己紹介もしないまま、処置をしていくのです。がんが転移したと告げた医師さえ、名乗らず、目も合わせず、そそくさと、部屋を去っていった。

―「たかが挨拶」が、人を、人として扱う入口だった

グレンジャーは、こう語っています。「自己紹介がないことは、私を、ただの“病んだ体”のように感じさせた。一人の、生身の人間ではなく」。逆に、誰かが、きちんと名乗ってくれたときは——「本当に、違った。私は、より心地よく、より孤独でなく、いられた」。

彼女は、残された時間を使って、一つの運動を始めます。「#hellomynameis(こんにちは、私の名前は)」。医療スタッフに、患者へ、必ず自己紹介をしよう、と呼びかける、ただそれだけの運動です。彼女は言いました。自信を持った自己紹介は、思いやりあるケアの、第一歩なのだ、と。この運動は、瞬く間に広がりました。世界中で40万人を超える医療従事者が賛同し、多くの病院が、名前を記した「hello my name is」のバッジを、身につけるようになった。彼女は2016年、34歳で亡くなりましたが、その運動は、今も、世界で、続いています。

―あなたの会社の「お迎え」は、相手を“人”として、見ているか

ここに、透明資産経営の、胸を打つ実例があります。「自己紹介」「挨拶」——それは、決して、「たかが礼儀」では、ありません。それは、目の前の相手を、匿名の“対象”から、名前を持つ“一人の人間”へと、変える行為です。そして、それこそが、信頼と、思いやりの、第一歩なのです。挨拶のない場所で、人は、「ただの、病んだ体」「ただの、客数」「ただの、担当番号」のように、扱われる。挨拶のある場所で、人は、初めて、「見られている一人の人間」に、なる。

さあ、あなたの会社は、お客様を、社員を、「一人の人間」として、迎えているでしょうか。電話口で、名乗っているでしょうか。初めての相手に、目を見て、自己紹介をしているでしょうか。それとも、名もなき“対応”で、相手を、匿名の対象のまま、処理していないでしょうか。グレンジャーが、命がけで教えてくれたのは、こうです。相手を「人」として扱う空気は、たった一つの、自己紹介から、始まる。だから、「こんにちは、私は〇〇です」——その一言を、あなたの会社の、あらゆる出会いの入口に、意図して、置いてください。想像してみてください。あなたの会社と出会うすべての人が、匿名の対象としてではなく、名前を持つ一人の人間として、見られ、迎えられている様子を。世界を変えたのは、壮大な改革ではなく、「こんにちは、私の名前は」という、たった一言だったのです。

―勝田耕司