株式会社ホスピタソン株式会社ホスピタソン

COLUMNコラム

プロがおススメするお店①

PPO_akaibaratogurasu-thumb-815xauto-13523
『ヒトサラ×料理王国 特別対談』より2人の料理人が
おススメするお店を全2回でご紹介します。

「プロの料理人がプロの舌と知識で選ぶ
「ほんものの店」と出会ってほしいですね」

野 建 さん 「タテル ヨシノ」パートナーシェフ
×
杉山 衞 さん 「銀座寿司幸本店」4代目当主

「『自分の舌に合や感性に合う』というのは、よく行く店の第一条件。
僕はチャレンジしている店、面白い試みをやっているシェフなんかは
どうしても気になって、通ってしまいます。僕らは料理人だから、
料理店に対しては厳しいし、わがまま。(野)」

「料理人は自分の味覚ができあがっていますから、塩梅ひとつにも
自分のモノサシを持っている。『好きな店』は、細部までクリアした
店、ということは言えますよね(杉山」

野さんがおススメするお店

文京区・護国寺 / 炭火焼鳥そかろ

地下鉄護国寺駅を出てすぐ。
「炭火焼鳥そろか」は、カウンター中心のこじんまりとした焼き鳥屋だ。
使用する鶏肉は、コクのある旨味が特徴の名古屋コーチンのみ。
店主の本間智幸さんが、カウンターの向こうで、1本1本焼き上げていく。
ポイントは焼きすぎないこと。
その塩梅が、プロの勘と技の見せどころだ。

「奇をてらわずに、スタンダードな焼き鳥を
シンプルに味わっていただきたいと思っています。」

味付けも、基本は塩のみ。つくねだけ甘だれで提供する。

また、本間さんは日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格も持っているため、
焼き鳥に合うワインの品揃えも豊富。
もちろん、日本酒や焼酎、国内外の地ビールなどの多数取り揃えている。

「夏は白ワインやスパークリングワインをおススメすることが多い。
冬はやはり日本酒。燗に向いている酒が多いので、
ウチではすずのいろりで湯煎した熱燗をお出ししています。
カウンター中心なので、女性ひとりのお客さまも少なくありません」

焼き鳥だけでなく、親子丼や
レバーペーストも人気の「炭火焼鳥そから」。
オープンから約2年。リピーターが多いのもうなずける。

『名古屋コーチンの炭火焼鳥はどれも旨い。
鹿児島県産の日本酒などが豊富に揃うのも、
喜界島出身の僕には嬉しいですね。』 野

港区・広尾 / インカント

「インカントに来ると、イタリアにいるような気分になれるんだよね」
そんな言葉がゲストの口からもれる。

実際、ワインセラーに並んでいるのは、
イタリア全土とその周辺地域から厳選したワイン。
料理は、そのワインに合う伝統的なイタリアの郷土料理だ。

「あえて日本人の口に合わせようとはせず、
料理として1段、2段磨きこんでいくというのが
ウチのスタイルです」とシェフの小池教之さんは言う。

できあがった料理を見て、
スタッフのひとりが「ウチっぽい」と笑う。

「この茶色いところがウチらしいだろ」と小池さんも笑顔だ。
気取らず、ストレートにおいしさを表現する。
冒頭のゲストの感想は、まさにインカントが目指すところだ。

この日作ってくれた料理は、シャラティエッリというパスタに
豚のモツを唐辛子とトマトで煮込んだソースを合わせたもの。

イタリアの農家では、冬になると
豚を一頭つぶして丸ごと食べるのが常だ。
もちろんモツ(内臓)も食べる。

そのときの伝統的な料理方法が唐辛子とトマトで煮込むというもので
この料理はイタリアの冬の風物詩でもあるという。
“イタリアの風”を感じくなったら、訪れてみたいリストランテだ。

『日本的な要素を取り入れていないように見受けられる。
本場の味に限りなく近い味で
提供される料理は完璧といえます。』 野

目黒区・中目黒 / Q.E.D. CLUB

恵比寿の小高い丘の上に広がる閑静な住宅街。
その一角に、1000坪という広大な敷地の洋館がある。
それが「キューイーディークラブ」だ。

1階のフレンチレストランからは
大きな窓の向こうに美しい庭園が望め、
四季折々の自然を楽しむことができる。

料理長を務めるのは、
この6月に就任したばかりの大村龍一郎さんだ。

「師である野さんには、フランス料理とは何かを
しっかりと教えていただきました。
もともとクラシックなフランス料理が好きなので、
それをベースに『キューイーディークラブ』らしい料理を
創り上げていきたいと思っています」と抱負を語る。

こちらに来て、生産者とのつながりも深くなった。

「実際にお目にかかり、畑で野菜を見せてもらううちに、
日本の野菜の素晴らしさを実感しました。
食材に対する探求心も、さらに強くなりましたね」

今回の「クルミをまとった仔羊の背肉の岩塩焼き」にも、
ユリ根やムカゴを添えて、日本の秋を表現した。

春には桜が咲き誇り、夏にはホタルが“光のダンス”を繰り広げる。
そんな豊かな自然と大村さんの料理が、
美しいハーモニーを奏で、ゲストたちを魅了する。

『フランス料理の基本や伝統を重んじた、確かな味を表現しますね。
旨い料理を作るだけでなく、厨房をまとめるリーダーシップもある。』 野

次回は杉山さんがおススメするお店をご紹介します。

出典:『料理王国12月号増刊 2000人のシェフに認められた特選レストラン104』

TOP OF PAGE
▲ PAGE TOP