『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】「これは苦しくなるぞ」と言った瞬間、本当に苦しくなる――“期待”を設計する

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆を深め、従業員同士の信頼関係を築き上げ、商品・サービスの独自性を強化します。そして、持続的成長につながる経営の仕組みです。

―同じ薬が、期待しだいで、二倍にも、ゼロにもなった

「プラセボ効果」——偽の薬でも、効くと信じれば、症状が和らぐ——は、よく知られています。実は、期待が痛みを和らげると信じると、脳内で、本物の鎮痛物質(内因性オピオイド)が放出され、脊髄での痛みの伝達さえ、変わるのです。期待は、気分だけでなく、呼吸、消化、免疫まで、実際の生理を、動かす。

そして、その「暗い双子」が、ノセボ効果です。「悪いことが起きる」という negative な期待が、本物の症状——痛み、吐き気、頭痛——を、生み出す。ある研究では、鎮痛薬レミフェンタニルを使い、「効く」という期待を持たせると、薬の鎮痛効果は、二倍になった。ところが、「効かない」という期待を持たせると——同じ薬、同じ量なのに、効果は、完全に、消え去ったのです。今日は、あなたが社員に語る「期待」が、実際の成果を、二倍にも、ゼロにも、しているかもしれない、という話をします。

―「期待」は、気分ではなく、現実を、生み出す

ここに、透明資産経営の設計原理があります。あなたが設定する「期待」——あなたの言葉、あなたの枠づけ、あなたが作り出す「予感の空気」——は、本物の効果を、生み出します。良い方向にも(プラセボ)、悪い方向にも(ノセボ)。もし、あなたが、ある変化を、苦痛で、脅威で、絶望的なものとして、枠づければ——「これは、地獄になるぞ」「どうせ、うまくいかない」「最悪を覚悟しろ」——あなたは、ノセボの空気を作り、本物の苦しみ、抵抗、そして失敗を、生み出す。あなたが予言した、まさにその痛みを。逆に、信じるに足る positive な期待で枠づければ、本物の good を、生み出せる。

しかも、これは、観察を通じて、伝染します。一人の不安げな声が、部屋全体に、感染する。だから、空気を設計するとは、「期待」を設計することでもあるのです。変化、挑戦、新しい道具の周りに、どんな枠づけと暗示を、置くか。期待は、単なる「心構え」ではなく、本物の結果を、生み出すのですから。

さあ、あなたが、社員に、どんな「期待」を語っているかを、聞いてください。あなたは、新しい挑戦を前に、こう言っていないでしょうか。「今期は、厳しい戦いになる」「この改革は、痛みを伴う」「市場は最悪だ」。あなたは、現実を語っているつもりです。けれど、その doom(破滅・悲運) に満ちた枠づけが、社員の中に、本物の不安、消耗、抵抗を——あなたが恐れている、まさにその失敗を——製造しているのかもしれない。あなたの「これは苦しくなるぞ」が、それを、本当に、苦しくしている。ノセボの空気を、あなた自身が、撒いているのです。

だから、「期待」を、意図して、設計してください。もちろん、嘘や、根拠のない楽観は、いけません(それは、以前お話しした、力の抜けるポジティブ思考です)。そうではなく、同じ現実を、どう枠づけるか。「地獄の戦い」ではなく、「我々が、一段強くなる機会」。「痛みを伴う改革」ではなく、「窮屈さを解いていく作業」。困難を正直に認めつつ、それを乗り越える自分たちへの、信じるに足る期待を、空気として、置く。そして、あなた自身の不安げな枠づけが、伝染することを、忘れない。想像してみてください。同じ困難な状況で、社員が、ノセボの苦しみではなく、本物の力を、発揮している様子を。あなたが、doom ではなく、信じるに足る期待を、設計したから、です。

期待は、単なる態度では、ありません。それは、本物の生理を、本物の結果を、生み出す。あなたの doom に満ちた枠づけ(「最悪の四半期になる」)は、あなたが恐れる失敗を、製造しているのかもしれない。だから、あなたが語る「期待」を、無自覚に垂れ流すのを、やめてください。それが、二倍にもゼロにもする力を持つと知って、意図して、設計するのです。同じ薬が、期待しだいで、効きもし、消えもするのですから。

―勝田耕司