こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆を深め、従業員同士の信頼関係を築き上げ、商品・サービスの独自性を強化します。そして、持続的成長につながる経営の仕組みです。
「空気が大事なのは、分かる。だが、それが、どれだけ業績に効くのか」。——この問いに、ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された、ある大規模研究が、明快な数字で、答えています。職場の「空気(クライメイト)」は、会社の財務業績の、およそ「3分の1」を、左右する。そして、その空気を、最も強く形づくっているのが——リーダーである、あなたの「スタイル」なのです。今日は、あなたのリーダーシップのスタイルが、空気を、そして業績の3分の1を、どう決めているか、という話をします。
―空気は、業績の3分の1を決めていた
心理学者ダニエル・ゴールマンは、コンサルティング会社ヘイ/マクバーと共に、3,871人もの経営幹部のデータを、分析しました。その結果、明らかになったのが、「組織の空気(クライメイト)が、財務業績の、実におよそ3割を、説明する」という、事実でした。残りの7割は、景気や、競争環境など、様々な要因です。けれど、その中で、たった一つ、リーダーが、直接、コントロールできるもの——それが、空気であり、その空気が、業績の3分の1を、動かしていた。
空気は、精神論では、ありません。業績の、3分の1を左右する、経営の、最重要変数だったのです。そして、ゴールマンが、さらに突き止めたのが、「その空気を、何が、作っているか」でした。答えは——リーダーの「スタイル」。リーダーが、どう振る舞うかが、空気を作り、その空気が、業績を動かしていたのです。
―6つのリーダーシップ・スタイル
ゴールマンは、リーダーが使う、6つのスタイルを、特定しました。
一つ目は、「強制型(Commanding)」。「言ったとおりに、やれ」。即時の服従を、迫る。二つ目は、「ビジョン型(Visionary)」。「私について来い」。明確な未来像へ、人々を、導く。三つ目は、「親和型(Affiliative)」。「人が、第一だ」。感情的な絆と、調和を、築く。四つ目は、「民主型(Democratic)」。「君は、どう思う?」。参加を通じて、合意を、形づくる。五つ目は、「ペースセッター型(Pacesetting)」。「私のやり方を、見て、今すぐやれ」。極めて高い基準を掲げ、自ら手本を示す。六つ目は、「コーチ型(Coaching)」。「これを、試してごらん」。人の、未来の成長を、育てる。
そして、ゴールマンは、どのスタイルが、空気を良くし、どれが、壊すかを、測定しました。空気を、はっきりと「良くする」のは、四つ——ビジョン型、親和型、民主型、コーチ型。これらを使うリーダーの下では、空気が澄み、業績が上がる。一方、残りの二つ——「強制型」と「ペースセッター型」は、使い方を誤り、“使いすぎる”と、空気を、「破壊する」ことが、分かったのです。
―なぜ、「有能なリーダー」ほど、空気を壊すのか
ここに、透明資産経営の、重要な洞察があります。多くのリーダーは、無意識に、たった一つのスタイルに、固着しています。そして、皮肉なことに、有能で、責任感の強いリーダーほど、空気を壊す二つのスタイル——「強制型」と「ペースセッター型」に、はまりやすいのです。
「強制型」は、危機や、立て直しの初期には、有効です。けれど、平時に、常用すれば、社員は、萎縮し、自ら考えるのをやめ、空気は、凍りつく。そして、特に厄介なのが、「ペースセッター型」です。これは、優秀なリーダーが、最も陥りやすい罠。自ら、誰よりも高い基準で、猛烈に働き、「俺のように、今すぐやれ」と、部下にも、同じ水準を求める。本人は、模範を示しているつもりです。ところが、部下は、その高すぎる基準に、ついていけず、圧倒され、自信を失い、「自分で決めている」という感覚(オーナーシップ)を、奪われていく。ゴールマンは、はっきりと書いています。「ペースセッター型は、空気を、破壊する」と。あなたが、良かれと思って、誰よりも頑張り、高い基準を求める、その姿勢が、空気を、そして業績の3分の1を、蝕んでいるのかもしれないのです。
さあ、あなた自身の、スタイルを、振り返ってください。あなたは、たった一つのスタイルに、固着していないでしょうか。「言ったとおりにやれ」と、強制していないでしょうか。あるいは、「俺のように、今すぐやれ」と、高すぎる基準で、部下を、圧倒していないでしょうか。良かれと思ったその一つの型が、空気を、壊してはいないでしょうか。
―6つのスタイルを「使い分ける」空気を、設計する
では、優れたリーダーは、どうしているのか。ゴールマンの答えは、明快です。「最高のリーダーは、一つのスタイルに頼らない。状況に応じて、複数のスタイルを、使い分ける」。とりわけ、空気を育てる四つのスタイルを、場面に応じて、巧みに切り替える。危機にはビジョンを示し、チームが疲弊していれば親和で絆を癒し、重要な決定には民主的に意見を募り、人を育てるときはコーチに回る。そして、強制型とペースセッター型は、ここぞという場面に限って、慎重に使う。マスターするスタイルが多いほど、作れる空気の幅は広がり、業績は、高まるのです。
そして、最も希望に満ちた発見が、これです。この6つのスタイルは——生まれつきの性格では、なく、「学べる」。あなたは、今日から、自分のスタイルの引き出しを、増やすことが、できるのです。
想像してみてください。あなたが、一つの型への固着を手放し、状況に応じて、ビジョンを示し、絆を癒し、意見を募り、人を育て——自在に、空気を、設計していく様子を。その澄んだ空気が、業績の3分の1を、押し上げていく様子を。空気は、業績の、3分の1を決めます。そして、その空気を作るのは、あなたのスタイルです。あなたは、たった一つの型で、空気を壊していませんか。それとも、6つのスタイルを使い分けて、空気を、設計していますか。
―勝田耕司