『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】勝つのは、最高の計画ではなく、速く回す者――「テンポ」を設計する

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆を深め、従業員同士の信頼関係を築き上げ、商品・サービスの独自性を強化します。そして、持続的成長につながる経営の仕組みです。

―相手より速く回れば、相手は混乱する

アメリカ空軍の伝説的な戦闘機パイロットにして、戦略家ジョン・ボイドは、空中戦の勝敗を分析し、ある結論に達しました。勝つのは、必ずしも、機体が優れた側でも、最高の作戦を立てた側でも、ない。「観察(Observe)→状況判断(Orient)→決定(Decide)→行動(Act)」という意思決定のサイクル——OODAループ——を、相手より「速く」回せる側だ、と。

相手より速く回れば、あなたは、相手の「ループの内側に入り込む」。相手が状況を判断し終える頃には、あなたはもう、次の手を打っている。相手は、常に一歩遅れ、混乱し、後手に回る。テンポと適応こそが、力の大小を超えて、勝敗を決める。そしてボイドが最も重視したのが、二番目の「状況判断(Orient)」——古い世界観を、時に破壊してでも、新しいデータに合わせて、更新すること、でした。今日は、あなたの会社が、「最高の計画」を練ることに時間を費やし、「速く回る」ことを、忘れていないか、という話をします。

―速さは、精神論ではなく、「設計」である

ここに、透明資産経営の設計原理があります。変化する市場で、勝つのは、最高の「計画」を持つ会社では、ありません。観察し、判断し、決定し、行動する——そのサイクルを、競合より、そして変化する環境より、「速く」回せる会社です。ところが、多くの会社は、遅い。長すぎる審議。一つひとつの決定が、社長の承認を待つ「ボトルネック」。そして、現実が変わっても、しがみつく硬直した計画(=Orientの失敗)。

速く回る、適応的な会社の空気は、「もっとスピード感を持て」という号令では、生まれません。それは、「テンポ」を、設計することで、生まれるのです——決定を、分散させ(一つのトップのボトルネックではなく、多くの局所的なループを回す)、計画を、検証すべき「仮説」として扱い(絶えず状況判断を更新し、合わなくなった世界観は、破壊する)、そして、サイクルそのものを、短くする。一つの完璧な決定ではなく、「学び、動く」速さを、設計するのです。

さあ、あなたの会社の意思決定を、見てください。すべての決定が、あなたの承認を待って、止まっていないでしょうか。あなたが、完璧な計画を練るのに、何週間もかけている間に、機敏な競合が、三手も先に、進んでいないでしょうか。そして、市場が変わったのに、かつて立てた計画に、しがみついていないでしょうか。あなたは、「最高の一手」を目指すあまり、遅くなり、相手の OODA ループの、外側で、後手に回っているのかもしれません。

だから、「テンポ」を、設計してください。第一に、決定を、分散させる。現場が、いちいち承認を待たず、自分のループを、速く回せるようにする(明確な意図さえ共有すれば)。第二に、計画を、絶対視せず、「仮説」として扱い、現実に合わせて、絶えず更新する。合わなくなった前提は、潔く、捨てる。第三に、行動を、「実験」として、素早く打ち、その結果を、次の観察へと、すぐ返す。完璧を待たず、速く学ぶ。想像してみてください。あなたの会社が、誰よりも速く、観察し、判断し、動き、競合が、常に一歩遅れて、混乱している様子を。あなたが、最高の計画ではなく、速いテンポを、設計したから、です。

変化する世界で勝つのは、最高の計画を持つ者では、ありません。速く回せる者です。だから、完璧な一手を練ることに、時間を溶かすのを、やめてください。決定を分散し、計画を仮説として更新し、サイクルを短くする——「テンポ」を、設計するのです。相手のループの内側に、入り込むために。

―勝田耕司