株式会社ホスピタソン株式会社ホスピタソン

COLUMNコラム

屁理屈なしの新実態が見えた!飲食店経営にビール銘柄は影響するのか? 

こんにちは、ホスピタソン勝田耕司です。

飲食店の経営や開業のコンサルティングをしていて、よく聞かれることの1つに「ビールメーカーはどこにしたらいいですか?」という質問がある。僕は、そんな時に「ビール会社に頼っていたら、飲食店経営は失敗しますよ。」と言ってきた。「本当にそうなのか?」という疑問も多く寄せられているため、ビールメーカーの選定は、飲食店の経営や店舗運営にどの程度影響するのか?改めて整理してみた。国内ビール会社の経営はどこに進んでいるのか、お店のビールメーカーはドリンクメニューラインナップに影響するのか、飲食店に対するビールメーカーの支援体制の違いはどんなことか、飲食店の経営者はビールメーカーをどう見ているのか・・・このような切り口について、飲食店経営者の生の声から新聞・雑誌の記事、ブログなどのインターネット記事をもとに、私の偏見も交えて書きました。

1、最近目にするビール会社の動向

2、2015年ビール会社の業績

3、ビール会社の飲食店向け主要商品

4、飲食大手企業におけるビールメーカーの動向

5、飲食店経営者の極秘座談会にて

6、まとめ

※ 参考資料・書籍

 

 

1、最近、目にするビール会社の動向

「キリン、豪の首位陥落」という新聞記事を目にした。6月28日のことだ。今回の記事によると、キリンホールディングスは、子会社でオーストラリア大手のライオンの主力商品『コロナ』など10ブランドを手放すことになり、豪州市場のトップシェアをフォスターズ社に譲ることになる、という話しだ。世界のビール市場では寡占化が加速しており、先般、シェア世界一のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)と2位のSABミラー(英国)が統合する話しが話題になったが、この2社で世界シェア30%を握る圧倒的勝者が誕生するのだ。今回の記事は、この世界大型統合の余波であり、今後も世界ビール大手の経営戦略が国内ビール会社の経営に影響することは否めないだろう。

 

冒頭からグローバルな話しで驚いたかもしれない。しかし、国内飲食店経営者のあなたは、ビール会社と取引する以上、知っておくべき話しなのだ。実は、日本のビール市場は、縮小に歯止めがかからず、この20年間で約75%まで縮小している。そこで、キリンホールディングス筆頭に、ここ十数年の国内ビール各社は、国外市場に積極的に打って出ている。国内主力ブランドの輸出や海外生産、グループ商品を通じた海外進出、海外ビール会社への出資・M&A。しかし、世界のビール市場の寡占化は進んでおり、前途の世界最大手2社統合の世界シェアは、30.4%に対して、日本のビール4社合わせた世界シェアは、たった4.8%。このように、世界ビール市場からみたら超弱者の国内ビール各社は、世界市場で勝ちパターンを見いだせるのか?これまで各社が多額の資金投じている海外戦略の実態をみてみよう。

 

キリンホールディングスは、2009年ライネイサン出資を皮切りに、2002年サンミゲル出資、2007年ナショナルフーズ(現ライオン)買収、2011年スキンカリオール(ブラジル)、2015年ミャンマー・ブルワリー(ミャンマー)と、各国のビール大手を買収している。

サントリーホールディングスは、2009年フランス飲料大手の『オランジーナ』を約3000億円で買収、2013年英国の製薬大手の飲料部門を2100億円で買収、2014年5月に1兆6500億円を投じて世界最大のバーボン・ウイスキー・ブランド『ジムビーム』を買収と、自社強みの飲料や洋酒というビール以外のブランドの買収に注力している。

一方、国内ビール最大手のアサヒグループホールディングスは、これまで海外市場における大型M&Aはみられなかったが、2016年欧州ビール関連で4社のM&Aに3297億円を投じた。それも、前途の世界最大手が切り離したブランドを拾った形でのM&Aである。

サッポロビールは、ベトナムに日本大手4社で初めてビール工場建設するなど、独自路線を貫いている。

 

このように、国内ビール大手4社が海外に資源を投じている中、国内ビール市場で新たな潮流として人気を集めているのが『クラフトビール』市場である。希少な原料や手間隙をかけた製法で作られ、個性的な味わいやパッケージで若者や女性が支持しており、「よなよなエール」で知られるヤッホーブルーイングが代表格。キリンホールディングス、この潮流に目をつけて、ヤッホーブルーイング社と資本業務提携を実施している。米国における『クラフトビール』市場は、金額ベースでビール市場の15〜20%に上るとされ、現在シェア1%程度の日本でも今後その比率が高まるとみられている。国内飲食店市場で既に話題になっている『クラフトビール』の流れをみればわかることだろう。

 

 

2、ビール会社の業績

 

では、海外戦略をすすめるビール各社の業績を確認してみよう。

2015年12月の業績を整理しみると・・・国内ビール類のシェアは、アサヒビールがトップであるが、ホールディングス規模の売上高でみると、サントリーホールディングスがトップになる。

 

① 国内ビール4社売上比較

サントリーホールディングス  /売上;2兆6867億円 営業利益;1850億円

キリンホールディングス    /売上;2兆1969億円 営業利益;1247億円

アサヒグループホールディングス/売上;1兆8574億円 営業利益;1351億円

サッポロホールディングス   /売上;    5337億円 営業利益; 139億円

 

② 国内ビール4社海外売上比率比較

サントリーホールディングス  /海外売上比率;38%

キリンホールディングス    /海外売上比率;28%

アサヒグループホールディングス/海外売上比率;14%

サッポロホールディングス   /海外売上比率;13%

 

ビール大手は食品・飲料メーカーの中でもひときわ規模が大きい。4社の中では、2104年に米蒸留酒大手のビーム(現ビームサントリー)を買収したサントリーの業績拡大が際立っており、売上・営業利益ともに1位。アサヒは国内ビール事業の貢献などで安定成長が続いており、営業利益ではキリンを上回り2位となっている。サッポロは飲料事業の強化などが課題。売上高海外比率は、海外で買収を重ねてきたサントリーとキリンが目立つ。ちなみに、ビール好きの人は知っていると思うが、オリオンビールという沖縄のビール会社がある。このオリオンビールの売上高は約250億円なので、サッポロビールの約20分の1の規模。

 

③国内ビール4社ビール類シェア

アサヒビール    38.2%

キリンビール    33.4%

サントリービール  15.7%

サッポロビール   11.8%

 

ビール類の企業別シェアは、アサヒが6年連続で首位を守った。サントリーが「ザ・プレミアム・モルツ」の

伸長などでシェアを高めており、キリンは苦戦が続いてきたが、2015年は「一番搾り」の復調で6年ぶりにシェアを

増やした。

 

 

3、ビール会社の飲食店向け主要商品

ここでは、国内ビールメーカー各社が飲食店向けに販売している主要ブランドを整理してみたい。

とはいっても、各社のカテゴリーごとの商品ラインナップは広がっているので、詳細は商品WEBサイトにて

確認してほしい。

 

① ビール類
サントリー ;ザ・プレミアム・モルツ、モルツ、カールズバーグ

キリン   ;一番搾り、ラガー、ハートランド、ハイネケン、バドワイザー、ギネス

アサヒ   ;スーパードライ、熟撰、オリオンビール、青島ビール、レーベンブロイ、
サッポロ  ;エビス、黒ラベル

 

ビールについては、プレミアム、スタンダード、輸入、と大きく3つのカテゴリーに分類されるが、

プレミアムビールのトップブランドは、エビスを抑えてザ・プレミアム・モルツ。スタンダードビールは、

スーパードライ。輸入ビールは、ハイネケンとバドワイザーの2強。地域別にみると、北海道ではサッポロが強い、

沖縄のスーパードライはオリオン社が生産している、など特徴があるようだ。

② 洋酒類
サントリー ;ジムビーム、響、山﨑、白州、知多、角瓶、トリス

キリン   ;IWハーパー、フォアローゼズ、ジョニーウォーカー、富士山麓

アサヒ   ;ジャックダニエル、アーリータイムス、ブラックニッカ、竹鶴、余市、
サッポロ  ;バカルディ、ボンベイサファイア、デュワーズ

 

『ハイボール』ブームを巻き起こし、冷え込んだ洋酒市場を復活させたサントリーの功績は大きい。

ハイボール市場は広がったが、元祖『角ハイボール』のブランドは揺るぎない。

 

③ 焼酎・RTD類

サントリー ;鏡月、黒丸、わんこ・なんこ、それから、ソフルマッコリ

キリン   ;白水、どぎゃん、幻の露、ピュアブルー、スミノフ、杏露酒、永昌源

アサヒ   ;一番札、かのか、さつま司、
サッポロ  ;からり芋、和ら麦、トライアングル、リモンチェッロ、バリキング

 

飲食店の焼酎市場は、地焼酎といわれる職人の手により製造されるものが主流だが、ビール各社は、

低価格品の開発や地焼酎蔵の買収などで、飲食店向け商品ラインナップを充実させている。

 

④ ワイン

サントリー ; 登美の丘、シャトーラグランジュ、他→http://www.asahifoodcreate.co.jp/

キリン   ; シャトーメルシャン、フランジア、他
http://www.kirin.co.jp/products/wine/

アサヒ   ; ミッシェルリンチ、ランソン、他
http://www.asahibeer.co.jp/enjoy/wine/

サッポロ  ; グランポレール、他→http://www.sapporobeer.jp/product/wine/index.php

 

飲食店のワイン商品ラインナップは、お客様の目や舌が厳しくなっている状況もあり、キリンはメルシャン、アサヒはエノテカを買収するなどラインナップの充実はすすめているが、中小ワイン輸入会社との競争に、ビール各社のワイン部門は苦戦を強いられている。

 

⑤ 飲料

サントリー ; ペプシ、サントリー食品インターナショナル→http://www.suntory.co.jp/softdrink/index.html

キリン   ; 生茶、ボルヴィック、キリンビバレッジ→http://www.kirin.co.jp/products/softdrink/

アサヒ   ; カルピス、ウィルキンソン、アサヒ飲料→http://www.asahiinryo.co.jp/

サッポロ  ; ポッカサッポロ
http://www.pokkasapporo-fb.jp/

 

近年のアルコール離れを背景に、飲食店のドリンクメニューにおいて、清涼飲料の充実に応えるため、

ビール各社はグループの飲料会社とコラボーレションでの営業活動をすすめている。飲食店経営サイドとしては、

抑えておきたい事実だ。

 

⑥ 飲食店向け商品紹介WEBサイト

サントリー ; http://sbssupport.jp/salessupport/items/

キリン   ; http://www.kirin.co.jp/products/

アサヒ   ; http://www.asahibeer.co.jp/products/biz/

サッポロ  ; http://www.sapporobeer.jp/product/business/beer/index.html

 

各社の飲食店向け商品WEBサイトのご紹介。

商品ラインナップや飲食店営業の力の入れ具合が伝わってくる。

 

⑦ 番外編;グループ飲食店

サントリー ; ダイナック→http://www.dynac.co.jp/

プロント→http://www.pronto.co.jp/

まい泉→http://mai-sen.com/

キリン   ; キリンシティ→http://www.kirincity.co.jp/

アサヒ   ; アサヒフードクリエイト→http://www.asahifoodcreate.co.jp/

なだ万→http://www.nadaman.co.jp/

サッポロ  ; サッポロライオン→http://www.ginzalion.jp/

 

番外編であるが、ビール各社のグループ飲食店のご紹介。

各社の飲食店向け商品が一目瞭然であり、飲食店経営や飲食店運営の視点でも参考なるので、

どこのビール会社取引すると、どんなドリンクメニューがラインナップできるか参考にしたい。

 

 

4、飲食企業に対するビールメーカーの動向

 

毎試合4万人前後の観客が集まる、阪神タイガースの本拠地甲子園球場では、内野席のビールの売り子はアサヒビールしかいないことを知っていますか?外野席や、一部の売店ではキリンビールの販売もあるが、売り子のほとんどがアサヒだとききます。一方で、大阪=阪神球団=阪神電鉄=アサヒビール、という構図は崩れているとも捉えることができる。これは、球場やチェーン飲食店を一つの商品広告の場とみているビール各社の思惑があるのかもしれない。

 

さて、この章では、大手飲食企業が、どのメーカーと取引しているかみてみたい。

餃子の王将はアサヒビールが出資をしているため、飲み物のメニューはすべてアサヒ。ビール、チューハイ、ウイスキー、ソフトドリンク、すべてアサヒの商品しか販売していない。甘太郎、贔屓屋、牛角などを展開するコロワイド<7616>は、これまでサントリーを販売していたが、2014年よアサヒメインに変わった。はなの舞などを展開するチムニー<3178>は、キリンを販売していたが、アサヒがキリンを超える出資を行ったために、アサヒをメインに販売するようになった。庄やなどを展開する大庄<9979>も、サントリーを販売していたが、アサヒの出資比率が増加したため、アサヒをメインに販売しています。鳥貴族<3193>は、キリン取扱からすべてサントリーに変更になっている。

 

ここでは、大手飲食企業各社のビールメーカーを決定する要因や販売量は不明だが、飲食店の販売提携先の変更は他社のシェアを直接奪うため、各社の業績順位が大きく変動する要因といえる。

 

ただし、飲食店経営者に誤解なきよう伝えておきたいことは、ビール会社を選ぶ基準は、価格ではなく価値であること。上記大手企業もメーカー変更のキッカケは、出資や株購入だけでなく、日々の取組の積み重ねの延長にあるといいます。あなたの会社やお店に、価格以外のどんな価値を与えてくれるか?ビールメーカー選定で注力すべき点だろう。

 

 

5、飲食店経営者の極秘座談会にて

先日、関西地域で飲食店を展開している経営者4名を集めて、某日某所で座談会を行った。

テーマは、「飲食店経営者からみたビールメーカー」。

ただし、関西地区のオーナーに偏っていること、社名や氏名は出さないこと、お許しいただきたい。

 

A社長(関西5店舗経営・サントリー取扱)

B社長(大阪3店舗経営・キリンビール取扱)

C社長(大阪4店舗経営・アサヒビール取扱)

D社長(大阪2店舗経営・サッポロビール取扱)

 

Q、現在取引しているビールメーカーどこですか?

A社長;サントリーさんです。

B社長;キリンビールさんです。

C社長;アサヒビールさんです。

D社長;サッポロビールさんです。

 

Q、今のビールメーカーと取引するキッカケは何ですか?

A社長;独立前に御世話になっていた会社は別のメーカーさんとお付き合いしていましたが、

サントリーさんのセールスさんは、当時から全く取引のない会社、しかも店長の僕の所に

よく来ていただいてました。当時から、「独立したら、サントリーさんにしよう!」と

決めてました。

 

B社長;キリンビールさんです。

先代とキリンビールさんの関係深く、その意を引き継いでいます。

 

C社長;アサヒビールさんです。

4号店出店計画のとき、足げくかよってきてくれたのが、アサヒビールさんでした。

好物件のご紹介をいただいたことと、セールスさんの熱意に負けて既存のお店も含めて

アサヒビールさんに変えました。

 

D社長;サッポロビールさんです。

独立開業時に、信頼できる方からのご紹介です。

 

Q、今、取引しているビールメーカーに対する満足度は100点満点中何点ですか?その理由は?

A社長;90点です。

大満足していますが、10点分はさらなる期待を込めて。

 

B社長;50点くらいかな。

我々が求めていないからだと思いますが、近くにいないというか、距離感があります。

 

C社長;70点。

最近担当者が変わったこともあり慣れていなから。どうしても担当者に左右されてしまいます。

 

D社長;95点。

担当セールスの方は2人目ですが、大満足です。とにかくかゆいこところに手が届くし、

とにかく、いつも側でサポートしてくれている感じです。ブランド力ではなく人間力で

付き合っています。うちのお客さんたちもサッポロさんの商品に納得しています。

 

Q、過去に、ビールメーカーを変えたことありますか?変えたその理由は?

A社長;ない

B社長;ないです。

C社長;1年程前変えました。アサヒビールさんの熱意が要因です。といっても前のメーカーさんの担当者は

顔をみたことなかったので、うちを大切にしてくれてなかったと思います(笑)

D社長; 変えたことはないです。

 

Q、ビールメーカー(や業者)を選定するときの基準ってなんですか?

A社長;1にも、2にも、うちの会社を愛してくれる業者さん、メーカーさん、担当者さんです。

愛してくれていれば、社長の僕だけでなく、店舗の社員やバイトと親身になって接してくれる。

良いことはもちろん、悪いことは悪い、とストレートに言ってくれます。

僕が経営課題に関する相談をしても、何かヒントをもってきてくれます。

何より、こういう相手を大切にすることを知っている会社さんは、自社商品も愛しています。

僕が独立前に出逢ったサントリーさんは、この通りでした。今も数名の営業の方や上司の方と

お会いしますが、温度差ありません。

ビールメーカー以外の業者さんにも、この基準で選定しています。

 

B社長; 誠実、でしょうか。商品に対しても、営業の提案に対しても、ウソがないことを大切にしています。

自社商品の味と品質を追究しているキリンビールさんの経営スタンスは、私のイメージに最も近いです。

私は、どちらかというと、担当者が誰だとか、様々な提案をしてくれる、ということに左右されません。

自社の本質を追究している姿勢で判断しています。

 

C社長;アサヒビールさんです。

熱意と協力体制。自分は質も量も両方求めるので他の社長さんよりも厳しいほうかもしれません(笑)

自分にも、現場店舗にも、通って欲しいし、どこの会社よりもハイレベルな提案が欲しい。

業者やメーカーに頼り過ぎなのもどうかと思いますが、協力してくれた分、販売量でお返しする自信が

あります。

 

D社長;サッポロビールさんです。

人柄につきます。うまく言えませんが、フィーリングというか、人間力というか、考え方というか、

僕や会社の空気に近い担当者がいる業者さんとつきあいます。

 

 

Q、今後、ビールメーカーに期待することは何ですか?

A社長; サントリーさんはもちろん、ビールメーカー全体で、もっと日本の飲食店を応援したり、

盛り上げたりしてもらいたい。ビールだけでなく、お酒全般を飲食店で味わうことの魅力みたいな

ことの発信、啓蒙をお願いしたい。僕たちは、サントリーさんのビールをもっともっと美味しく

提供できるよう努力します。

 

B社長; 知人の飲食店経営者の間では、キリンさんの飲食店に対する取組がどうのこうのと良く話題になります。

でも私たちは取扱させていただいている立場ですから、我々がメーカーさんを

評価するのはおかしいのでは?というのが持論です。特にうちは先代からの遺言でもありますので

キリンビール商品を美味しく飲んでもらえるように一生懸命努力します。あえて、お伝えするとしたら、

王者キリンビール、であって欲しいなとは思います。

 

C社長; もっと、もっと、4社で競争するべきです。それは、飲食店に対して、独自の取組での競争です。

商品開発や営業支援など。独自の特徴が見えないと、協賛が高い低いという極めてレベルの低い点で

ビールメーカーとつきあうことになってしまいます。結果、日本の飲食業界のレベルも上がりません。

 

D社長; サッポロさんには、他のメーカーに負けない美味しいビール開発を進めてほしい。

僕は一生懸命応援してくれる姿勢が見える間はサッポロさんを頑張って売り続けます。

 

 

 

6、まとめ

ここでは、5、の座談会のメンバー、その他数十名の飲食店オーナーに独自ヒヤリングを実施した結果をまとめてみました。関西地域、会社の規模、偏った意見であることはお含みいただきたい。

 

 

①飲食店向け商品力

飲食店のドリンクメニューをしっかりと網羅できる商品ラインナップがあるか、特に強いカテゴリーがあるか、

などを総合的に評価。

 

サントリー ◎

キリン   ○

アサヒ   ◎

サッポロ  △

 

サントリーは、ザ・プレミアム・モルツの商品力やイメージが向上し、ハイボールといえばサントリーという評価をはじめ飲食店向け商品の充実度はトップ。アサヒは、スーパードライのシェアが高いことを強みにある程度の品揃えをしている。キリンは、飲食店向けにグループ商品ラインナップは平均レベルだが、ビールは、一番搾り、ラガーに加えて、ハートランドをはじめ、海外主力ブランドのバドワイザー、ハイネケン、ギネス、というブランドの幅が魅力。サッポロは、エビスが健闘しているもののトータル的な品揃えに課題。

 

 

②飲食店向け地域力

飲食店は、立地特性が商売に大きく影響すると言われています。一定の商圏がきまっているため、地域のお客様と

どうかかわっていくか?という視点は大切。そこで、全国メーカーのビールメーカーが、各地域と個別にどうかかわっているかという視点を評価してみた。

 

サントリー ○

キリン   ◎

アサヒ   △

サッポロ  △

 

サントリーは、「エリア情報サイト」なるWEBサイトページを運用しており、各地域の情報を各地のお客様向けに

発信している。キリンは、「47都道府県の一番搾り」を通じて、各地域とのかかわりを深める商品を発売。サッポロは、北海道をホーム地域と捉えて圧倒的なシェアをほこる。

 

 

③飲食店向け営業力

ここでいう営業力は、主に関西で、飲食店に直接訪問する頻度、街の料飲街で見かける頻度、を独自にヒヤリングした飲食店オーナーの声で評価。

 

サントリー ◎

キリン   △

アサヒ   ○

サッポロ  △

 

サントリーは、「誰が担当しても継続的に来てくれる」、「料飲街でセールスをよく見かける」、という声が多い。意外なのは、シェアの高いアサヒは、「最近見かけなくなった。」という。キリンは、「よくも、わるくも、一定の距離感がある」という声が過半数をしめた。

 

④飲食店向け情報力

飲食店がビールメーカーに自社商品以外に求めることに、飲食業界全般の知識や情報。「売れるオリジナルドリンクメニュー」「どんなお店が繁盛しているか」「どんな料理が人気か」「地域競合店の動向」など、飲食店視点で、求められる情報に満足いく返答できるか否か。

 

サントリー ◎

キリン   ○

アサヒ   ○

サッポロ  △

 

個人店オーナーとチェーン展開している経営者では求める情報は異なるが、『経営全般にまつわる情報』を求める傾向にある飲食店経営者に応える力が高いのは、サントリーのようだ。しかし、キリン、アサヒ、サッポロ、各社も独自の情報ネットワークを構築しており、その差はあまりなくなっているという意見もある。

 

 

⑤飲食店向け提案力

本来の領域はドリンクメニューがメインになるはずだが、実際は幅広く“お店が繁盛するための提案力”を求められるビールメーカー各社。

 

サントリー ◎

キリン   ○

アサヒ   ◎

サッポロ  ○

 

サントリーとアサヒは、長年継続した飲食店への積極的な取組があり、高い提案力があるという一定の評価。

一方で、キリンもグループ力を活かした飲食店への幅広い提案に積極的である。サッポロは、商品の総合力に欠けが、個性的な『繁盛につながる提案』を実施していることはあまり知られていないようだ。

 

 

まとめということで、いくつかの切り口で飲食店側の評価を整理しました。

 

今回、私が改めて感じたことは、飲食店経営にビールメーカー(ビールブランド)は、影響しない、ということ。

必要なことは、なぜ?そのビールブランドを扱うのか?(そのビールメーカーと付き合うのか?)という目的です。

 

業態にもよるが、居酒屋系であれば、売上に締めるドリンク売上は40〜50%。さらに、ビールメーカー系商品は、70〜80%締める。つまり、どのビールメーカーとの付き合いは、経営にかかわるのだ。それだけに、目の前の協賛金で判断することなく、あなたの経営の方向性に合うメーカーはどこか?継続的視点で、あなたのお店がどこのビールメーカーと付き合うと、経営や運営に有利か?という視点で判断してほしい。

 

冒頭で話したとおり、そこに「価格」ではなく、「価値」の基準をみつけて欲しいのだ。それは、商品かもしれないし、担当する営業マンの姿勢かもしれない。御社の飲食店経営方針に合う『価値基準』があるはずだ。

 

そして、あなたのお店にも飲食店としての『価値』があることを願っている。

 

 

  • 参考資料・書籍
  • 日経新聞
  • 日経ビジネス

■  書籍

・キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え! /田村潤・講談社+α新書

https://www.amazon.co.jp/dp/4062729245/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=

・最強の経営者 小説・樋口廣太郎―アサヒビールを再生させた男/高杉良・プレジデント社

https://www.amazon.co.jp/dp/4833450909/sr=8-13/qid=1470029616/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=&qid=1470029616&sr=8-13

・ローソン再生、そしてサントリーへ プロ経営者 新浪剛史/吉岡秀子・朝日新聞出版

https://www.amazon.co.jp/dp/4023313467/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=

・なぜザ・プレミアム・モルツは売れ続けるのか?/片山修・小学館文庫

https://www.amazon.co.jp/dp/4094087362/sr=8-6/qid=1470029616/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=&qid=1470029616&sr=8-6

・サントリー対キリン/永井隆・日本経済新聞出版社

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%AF%BE%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%83%B3-%E6%B0%B8%E4%BA%95-%E9%9A%86/dp/4532319609/ref=pd_bxgy_14_2?ie=UTF8&psc=1&refRID=S92RP8C2JF7TX0RF4E7Z

 

TOP OF PAGE
▲ PAGE TOP