『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】社長塾と社内学校が創る「魂の継承」ー在り方とやり方が共鳴し、空気は不変の資産となる

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。

ー「教育」という名の「情報の詰め込み」をやめよ

経営者の皆様、貴社の社内研修を思い浮かべてほしい。 外部講師を招いたマナー研修、最新のITツール講習、あるいはコンプライアンスの遵守……。

もし、それら「やり方(Do)」の伝達だけに終始しているなら、それは教育ではなく単なる「情報の転送」だ。そして残念ながら、その転送された情報は、現場の「重い空気」というフィルターを通る過程で、大半が霧散してしまう。

私が提唱する透明資産経営における教育とは、目に見えるスキルを教えること(やり方)と、組織の根幹となる哲学を伝えること(在り方)を明確に峻別し、それらを両輪として回していく仕組みである。その中心にあるのが、透明資産の5つの構造の一つ、「社長塾」と「社内学校」だ。

これらは単なる学習の場ではない。組織のアイデンティティを確認し、透明な志を共鳴させる「聖域」であるべきなのだ。

ー統計が示す「在り方」と「やり方」の相乗効果

なぜ、この二つを分ける必要があるのか。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「2万人調査」の結果を深掘りすると、仕事の「やり方」を熟知しているだけでは不十分で、その仕事の「意味(在り方)」に共感している従業員ほど、困難に直面した際のレジリエンス(回復力)が強く、創造的な問題解決に従事する確率が統計的に有意に高いことが示されている。

また、「科学が示す成長の分岐点」(日本の人事部)においても、職場の空気をポジティブに変える最大の要因は、リーダーによる「一貫した価値観の伝承(在り方)」と、現場による「具体的な成功体験(やり方)」の融合であると説かれている。

「在り方」という土台が社長塾で固められ、その上に「やり方」という技が社内学校で積み上がる。この構造が機能したとき、組織の「摩擦係数」は劇的に下がる。2026年、AIが「やり方」を代替する時代において、人間に残された最後の聖域は、この「在り方の共鳴」と「実戦的な知恵の継承」の融合に他ならない。

ー社長塾|社長が「生き様」という名の在り方を手渡す場

社長塾の目的は、スキルを教えることではない。社長であるあなたが、何を大切にし、何を許さず、どのような未来を夢見ているのかという「在り方(Be)」を、社員の魂に直接注ぎ込むことだ。

かつて、松下幸之助氏や本田宗一郎氏といった偉大な経営者たちは、言葉以上にその背中で「在り方」を伝えた。現代の透明資産経営において、社長塾はそのプロセスを仕組み化したものである。

ここでは、社長の成功体験だけでなく、むしろ「失敗と葛藤の物語」を透明に語るべきなのです。

「なぜ、あの時あの決断をしたのか」
「なぜ、あの失敗から立ち上がれたのか」
「何をやってもうまくいかないとき、何を考えていたか」

社長が自分の弱さをさらけ出し、それでも譲れない「志」を語るとき、社員の中に眠る当事者意識(透明資産)が目を覚ます。

例えば、株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)の「FR大学」で行われるような、柳井氏の徹底した経営哲学の浸透は、まさに「在り方」の教育だ。社長が「教師」となり、社員一人ひとりを「経営者」として育てる。この「在り方の共振」があるからこそ、世界中の現場で一貫した空気感が維持されているのである。

ー社内学校|先輩が「秘伝の技」という名のやり方を伝承する場

一方で、日々の業務に直結する「やり方(Do)」を教えるのは、現場を熟知した各部門の先輩社員たちだ。これが社内学校の役割である。外部講師ではなく、あえて「先輩社員」が教えることに透明資産経営としての大きな意味がある。

先輩が自分の苦労話や、現場でしか通用しない「秘伝の技」を後輩に手渡すとき、そこには単なるスキルの移転を超えた「信頼の絆」が生まれる。教える側は自分の知識を整理し、教えられる側は身近なロールモデルを見て、自分の未来を想像する。

例えば、サツドラホールディングス株式会社の「サツドラ大学」では、現場のノウハウを相互に学び合う文化がある。あるいは、株式会社カヤック(面白法人カヤック)の「ぜんいん人事部」という考え方に裏打ちされた教育文化。現場の人間が、現場をより良くするための「やり方」を熱心に教え合う。この「横の伝承」が、組織の空気を活性化させ、淀みを解消する。

社内学校で教えられる「やり方」は、社長塾で学んだ「在り方」を実現するための手段でなければならない。この整合性が取れているとき、教育は爆発的な力を発揮する。

ー透明資産経営を最大化する「3つの運用ルール」

社長、社長塾と社内学校を、単なる研修制度で終わらせないために、以下の3つのルールを徹底してほしい。

1. 在り方を「神話」にし、やり方を「武器」にする

社長塾では、組織の価値観を体現した過去のエピソードを「神話」として語り継げ。社内学校では、明日から現場で使える具体的な「武器(スキル)」を磨け。この「神話と武器」の両方を持つ社員は、無敵の戦士となる。

2. 「教える側」を最も称賛する

社内学校の講師を務める先輩社員を、経営が全力でバックアップせよ。教育を「業務外の負担」ではなく「資産の再生産」と定義し直すことだ。先輩が「誇りを持って教えている」という空気そのものが、最高の教育環境になる。

3. 在り方とやり方の「答え合わせ」を行う

「このやり方は、わが社の在り方に沿っているか?」と、常に問い直す機会を作ること。社長と現場のリーダーが対話し、空気のズレを微調整し続けること。これが透明資産の「品質管理」である。

ー2026年、教育が「企業の免疫力」になる

2026年、外部環境はますます不透明になり、既存のビジネスモデルは次々と崩壊していく。そんな中で、組織を崩壊から守る唯一の免疫力は、「在り方(社長塾)」という強固な軸と、「やり方(社内学校)」という柔軟な対応力の両立である。

「やり方」だけを学んだ社員は、会社がピンチになれば、より条件の良い「やり方」ができる場所へと去っていく。しかし、「在り方」を共有し、この組織の空気を愛する社員は、ピンチを「共に乗り越えるべき試練」と捉え、団結する。

ー社長、あなたが最初の「教師」であれ

教育の質は、教師の熱量に比例する。 組織の空気を変え、透明資産を次世代に繋ぎたいと願うなら、社長であるあなたが最初の、そして最大の教師にならなければならない。

あなたが社長塾で語る言葉に、嘘はないか。 あなたが社内学校で推奨するやり方を、あなた自身がリスペクトしているか。

教育とは、技術の移転ではなく、あなたの「情熱の引火」である。 社長塾という聖域で、あなたの魂を社員に手渡すこと。 そして、社内学校という修練の場で、先輩と後輩が共に技を磨くこと。

この二つが共鳴したとき、あなたの会社は、あなたがこの世を去った後も、澄み切った空気を纏いながら100年、200年と輝き続けるだろう。

あなたの会社の教育、今日は「在り方」と「やり方」のどちらに光を当てましたか?

ー勝田耕司