こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
ー採用とは「狩り」ではなく「鏡」である
経営者の皆様、「人が採れない」「せっかく採ってもすぐに辞めてしまう」と嘆いてはいないだろうか。2026年、労働人口が加速度的に減少する中で、多くの企業が求人サイトの給与を数万円上乗せし、福利厚生を飾り立て、より「豪華に見える餌」を撒くことで人を集めようとしている。しかし、それは採用という名の「狩り」に過ぎない。
断言しよう。狩りで集めた人は、より良い餌(条件)を見つけた瞬間に、あなたの元を去っていく。
透明資産経営において、採用は「鏡」であると定義する。自社の内面に流れる空気、社員の瞳の輝き、社長の言葉の透明度。それらが鏡のように外側に映し出され、その鏡に映った「自社のありのままの姿」に共鳴する人が集まってくる。
鏡が曇っていれば、どんなに高価な求人広告を出しても、優秀な人材はあなたの会社の不透明さを見抜き、素通りしていく。逆に、鏡が澄み渡り、独自の透明資産が輝いていれば、あなたの会社の価値観に共鳴する「運命の人材」が、向こうから引き寄せられるようにやってくるのだ。
「人が採れない」のではない。あなたの会社の「空気」が、欲しい人材にとって魅力的ではない。あるいは、正しく伝わっていないだけなのだ。
ー統計が示す「条件」から「意味」への大転換
なぜ「条件」よりも「空気」が重要なのか。それを裏付けるデータがある。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「2万人調査」の結果を紐解くと、特に20代から30代の層において、仕事選びの最優先事項が「給与額」から「働きがい」や「貢献実感」、そして「誰と働くか(人間関係の質)」へと劇的にシフトしていることが判明している。
また、「科学が示す成長の分岐点」(日本の人事部)においても論じられている通り、組織風土と採用定着率には極めて強い相関がある。空気が濁った組織に入社した優秀な人材は、入社後わずか数ヶ月で「リアリティ・ショック」を起こし、離職する。
離職による損失額は、採用コストだけでなく、教育にかけた時間や周囲の士気低下を含めれば、年収の1.5倍から2倍に達するという試算もある。
逆に、心理的安全性が高く、透明資産が豊富な組織では、社員が自ら「リファラル(紹介)」を積極的に行う。自分たちが愉しく、誇りを持って働いているからこそ、大切な友人を誘いたくなるのだ。この「社員による口コミ」こそが、2026年における最強の採用メディアであり、広告費をかけずに最高の人材を獲得する唯一のルートである。
ー成功事例に学ぶ「空気で選ばれる」戦略
「働きがいのある会社2025」の上位企業や、採用で圧倒的な強さを誇る企業は、いかにして「鏡」を磨いているのか。
例えば、株式会社カヤック(面白法人カヤック)だ。彼らは「面白がる」という空気そのものをブランドにしている。彼らの採用基準はスキル以上に「この空気に馴染めるか、面白がれるか」に置かれている。飾らないありのままの文化をオープンに発信し続けることで、入社後のギャップをゼロに近づけている。
また、株式会社ベネフィット・ワンのようなサービス業においても、社員が自律的に動き、愉しむ空気感が採用の核となっている。彼らは「ワクワクする空気」を隠さず、面接の段階から社員との接点を多く設ける。制度や条件の前に、そこで働く人間の「体温」を感じさせることで、共感度の高い人材を引き寄せている。
地方企業の星、株式会社アイ・オー・データ機器(金沢)の事例も示唆に富む。地方という地理的制約を、地域の伝統や穏やかな空気感という透明資産の源泉に変え、そのライフスタイルに共感するエンジニアを惹きつけている。東京の待遇競争に背を向け、独自の「時間の流れ」という空気を売ることで、唯一無二のポジションを築いているのだ。
さらに、Sansan株式会社。彼らの「出会いからイノベーションを生む」という明確なパーパスは、組織の隅々にまで浸透し、凛とした空気を創り出している。この「思想の透明性」に惹かれた人材は、多少の条件の差など気にも留めず、ビジョンの実現のために集結する。これこそが透明資産経営がもたらす「引力」である。
ー透明資産を「採用武器」に変える3つのステップ
社長、明日から採用に勝つために、以下の3つの「鏡磨き」を実践してほしい
1. 「社長塾」で培った「在り方」を言語化せよ
採用の場で語るべきは、業務内容ではなく「なぜこの会社が存在するのか」という社長塾の核心である。社長が自らの夢と、今抱えている課題(弱さ)を透明に語ること。その「在り方」の透明度が、本物のプロフェッショナルの心を揺さぶる。
2. 面接を「選考」から「対話」へ
上から目線で評価するのをやめよ。候補者と対等な立場で、お互いの「人生の目的」を語り合う場にすること。もし、候補者の人生の目的が自社の空気と合わないのであれば、不採用にすることがお互いの幸せ(ウェルビーイング)に繋がる。不透明な採用は、後に大きなコストとなるからだ。
3. 「社内学校」を公開せよ
自社でどのような「やり方」が先輩から後輩へ受け継がれているのか、その教育の風景を見せることだ。成長を望む人材にとって、最高の福利厚生は「自分が成長できる空気」である。先輩社員が熱心に後輩を指導する姿こそが、何よりの求人票になる。
ー2026年、空気は「最強の差別化要因」になる
2026年、求人メディアはAIによって最適化され、条件面での比較は一瞬で終わる。そんな中で、最後に人の心を動かすのは、デジタルデータには載らない「熱量」や「優しさ」、「厳しさの中の愛」といった、その会社特有の空気感だ。
透明資産経営を実践する企業は、待遇競争という名の「レッドオーシャン(血の海)」から離れ、独自の空気感という「ブルーオーシャン(青い海)」で悠々と泳いでいる。「おカネで集まった人は、おカネで去っていく。空気で集まった人は、空気と共に育っていく」。この真理を忘れてはならない。
ーあなたの会社は、誰を幸せにする鏡か
社長、鏡を見てほしい。そこに映っているのは、疲弊した社員の顔だろうか、それとも挑戦を愉しむ社員の笑顔だろうか。
採用難とは、社会のせいで起きているのではない。あなたの会社の鏡が、磨かれるのを待っている合図なのだ。あなたが「社長塾」で磨いた志を、「社内学校」で育んだ絆を、包み隠さず外に見せること。あなたが鏡を磨き、澄み切った空気を組織に流し始めたとき、あなたの会社は、世界でたった一つの「選ばれる理由」を手にする。
条件で釣る経営を捨て、空気で惹きつける経営へ。その透明な一歩が、あなたの会社を次世代のスター企業へと押し上げる。
あなたの会社の鏡、今日は誰が覗き込みたくなりましたか?
ー勝田耕司

