『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】同じ社員の力が、リーダー次第で「2倍」変わる――あなたは、増幅していますか、消耗させていますか

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆を深め、従業員同士の信頼関係を築き上げ、商品・サービスの独自性を強化します。そして、持続的成長につながる経営の仕組みです。

あなたの会社には、使われていない力が、眠っています。社員が、本来、持っているのに、発揮できていない、知性と、能力。——もし、それを、丸ごと引き出せたら、どうでしょう。新しく人を雇わなくても、設備に投資しなくても、会社の力は、跳ね上がる。実は、それを引き出せるか、眠らせたままにするかは、たった一つの要因で、決まります。「リーダー」です。同じ社員でも、リーダー次第で、発揮される力が、2倍、変わる。今日は、社員の力を、2倍にも、半分にも、する、リーダーと空気の話を、お伝えします。

―「増幅型」と「消耗型」――2倍の差

リーダーシップ研究者のリズ・ワイズマンは、4大陸、150人を超えるリーダーを、2年かけて、研究しました。そして、リーダーが、二つの両極の間に、位置することを、突き止めます。「増幅型リーダー(マルチプライヤー)」と、「消耗型リーダー(ディミニッシャー)」です。

増幅型リーダーは、周りの人々の、知性と能力を、「引き出し、増幅する」。消耗型リーダーは、自分の賢さに夢中になるあまり、周りの知性を、「抑え込み、消耗させる」。そして、ワイズマンが、算出した、衝撃的な数字が、あります。増幅型リーダーは、消耗型リーダーの、およそ「2倍(1.97倍)」の能力を、同じ人々から、引き出していた。別の言い方をすれば——増幅型リーダーの下で、社員は、自分の知性の、約95%を、発揮する。ところが、消耗型リーダーの下では、わずか、48%。同じ社員が、リーダー次第で、半分しか力を出せないか、ほぼ全てを出せるか、分かれていたのです。ワイズマンは言います。「組織の中には、使われている以上の、知性が、眠っている」。その、眠っている半分を、引き出すのが、リーダーの仕事なのです。

―最も危険なのは、「善意の、消耗型リーダー」

ここで、多くの経営者が、こう思うでしょう。「消耗型リーダーとは、部下を怒鳴る、暴君のような上司だろう。自分は、違う」。——ところが、ワイズマンの、最も重要で、最も身につまされる発見が、これです。消耗の大半は、「悪意」からでは、なく、「善意」から、起きている。

彼女は、これを「意図せぬ消耗型リーダー(アクシデンタル・ディミニッシャー)」と、名づけました。有能で、エネルギッシュで、部下を助けたい一心の、良かれと思っているリーダーほど、自分の「強み」を、使いすぎて、無意識に、部下の力を、削いでしまうのです。たとえば——アイデアが豊富なリーダーが、次々と自分のアイデアを出しすぎて、部下が考える隙を、奪う。面倒見のいいリーダーが、部下がつまずくたびに、すぐ助けに入り、部下が、自力で格闘し、成長する機会を、奪う。自ら高い基準で猛烈に働くリーダーが、そのペースを示しすぎて、部下が「とても追いつけない」と、諦める。前向きなリーダーが、ポジティブすぎて、部下の、本当の困難を、軽く扱ってしまう。——どれも、善意です。けれど、その善意が、部下の力を、半分に、していたのです。有能な経営者ほど、この罠に、はまりやすい。あなたは、良かれと思って、部下の力を、削いでいないでしょうか。

―増幅する空気か、消耗させる空気か

ここに、透明資産経営の、核心があります。リーダーは、空気を通じて、チームの「発揮される知性」を、2倍にも、半分にも、します。消耗型リーダーの作る空気は、「このリーダーがいないと、どうせ決まらない」という、依存と萎縮の空気。部下は、考えるのをやめ、指示を待つ。増幅型リーダーの作る空気は、「あなたの頭で、考えてほしい」という、挑戦と貢献の空気。部下は、身を乗り出し、持てる力を、注ぎ込む。同じ社員が、どちらの空気の中にいるかで、発揮される力が、2倍、変わるのです。

さあ、あなた自身を、振り返ってください。あなたは、会議で、答えを、先に言いすぎていないでしょうか(部下が考える隙を奪う)。部下がつまずくと、すぐ、自分で引き取っていないでしょうか(成長の機会を奪う)。あなたがいないと、物事が、決まらない状態に、なっていないでしょうか。もし、そうなら——あなたは、善意の、消耗型リーダーとして、部下の力を、半分に、しているのかもしれません。

―「増幅する空気」を、設計する

では、どうすれば、増幅できるのか。ワイズマンは、これは、生まれつきの才能ではなく、「学べる」行動だと、言います。そして、増幅の、最大の鍵は——「答えること」ではなく、「問うこと」。知的な好奇心をもって、問いを投げ、部下の頭を、動かすこと、なのです。

だから、「増幅する空気」を、設計してください。第一に、答えを、先に言うのを、こらえ、「あなたは、どう思う?」と、問う。第二に、部下がつまずいても、すぐ助けに入らず、自力で格闘する時間を、与える(ただし、見放すのではなく、支える)。第三に、意思決定を、独り占めせず、部下を、議論に、巻き込む。第四に、自分の「意図せぬ消耗」の癖——出しすぎ、助けすぎ、飛ばしすぎ——に、気づき、手放す。

想像してみてください。あなたが、答えを言うのをやめ、問いを投げ始めたとき——これまで48%しか力を出していなかった社員が、95%の力を、発揮し始める様子を。新しく人を雇わなくても、会社の力が、2倍に、なっていく様子を。社員の力は、固定では、ありません。リーダーである、あなたの空気が、それを、2倍にも、半分にも、する。あなたは、社員の力を、増幅していますか。それとも、善意で、消耗させていますか。

―勝田耕司