『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】ウェルビーイング経営の「本音と建前」――「やらされ幸福」を排除し、心の底から愉しむ空気を創る

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。

ー制度を整えても、なぜ社員の目は輝かないのか

経営者の皆様、近年注目されている「ウェルビーイング経営」に取り組む中で、こんな違和感を抱いたことはないでしょうか。「残業を減らし、休暇を増やし、メンタルヘルスケアも導入した。それなのに、現場の活気が一向に上がらないのはなぜか」と。

それは、社員にとっての幸福が「制度として与えられたもの(外発的)」に留まり、自らの内側から湧き出る「愉しさ(内発的)」に繋がっていないからです。私はこれを「やらされ幸福」と呼んでいます。会社が「幸せになれ」とルールを押し付けるほど、皮肉にも現場の空気は不透明な閉塞感に包まれます。社員は「制度を利用すること」が目的化し、本来の仕事の目的や顧客への貢献から心が離れていく。これでは、ウェルビーイングは単なるコストでしかありません。

2026年に求められる真のウェルビーイングとは、目に見える「制度」ではなく、目に見えない「空気の質」そのものです。社員が「この仲間と、この志に向かって働けていることが誇らしい」と心の底から実感できる空気。この「健やかな活力」という透明資産こそが、2030年に向けての持続的な業績躍進を支える真のエンジンとなるのです。

ー「心理的安全性」は、甘えではなく「高い要求」のためにある

ウェルビーイング経営を誤解している組織では、「空気を良くする=仲良く、楽に働かせる」ことだと勘違いしています。しかし、透明資産経営が提唱する空気の設計は、それとは正反対です。

真にウェルビーイングが高い組織には、強固な「心理的安全性」が宿っています。これは、ミスを許し合うだけの生ぬるい空気ではありません。高い目標(要求)に対して、自分の意見を率直に述べ、失敗を恐れずに挑戦し、仲間と切磋琢磨できる空気です。

社員たちは、単に「楽」をしたいのではありません。自分の才能が発揮され、誰かの役に立ち、成長している実感、つまり「自己有用感」を得たいのです。この「高い志を、安心して追求できる空気」こそが、2026年の最新トレンドである「人間中心(People-Centric)」の経営の核心です。制度や評価という外枠をいじる前に、現場に流れるこの「透明な信頼の土壌」を整えること。それだけで、社員は自ずと幸福を感じ、その活気がお客様を呼び寄せ、業績アップという好循環のスパイラルを発火させる起点となります。

ー利益は「空気の変化」が生み出す副産物である

「社員の幸せを追求したら、利益が減るのではないか」――そんな不安を抱く必要はありません。透明資産経営において、利益とウェルビーイングはトレードオフ(二者択一)ではありません。利益とは、空気が整った結果として生まれる「社会からの感謝のスコア」です。

実際、空気が変われば従業員が変わり、接客のやり方が変わり、顧客の満足度が劇的に向上した事例は枚挙に暇がありません。社員が「やらされ感」ではなく「自分事」として仕事を愉しんでいる店や会社には、お客様も自然と集まってきます。結果として、販促費をかけずとも売上が上がり、離職率が下がることで採用・教育コストが激減します。

会社にとって「活きるお金」とは、こうした良い空気を作るための投資であり、逆に、淀んだ空気を誤魔化すための場当たり的な福利厚生は「死んでいくお金」です。ウェルビーイング経営とは、実は最も効率的で、最も儲かる経営投資なのです。空気が変わることで、取引銀行や外部機関からも「何か、御社は変わりましたね」と評価され、資金調達やブランド価値が向上する。これこそが、透明資産がキャッシュを呼び込むメカニズムです。

ー社長塾と社内学校で育む「幸福の自律化」

やらされ幸福を排除し、自律的な幸福を組織に根付かせるために、経営者は「社長塾」で、自らの「在り方」を透明に語らなければなりません。 「私は君たちに、ただ働いてほしいのではない。この仕事を通じて、君たちの人生が輝く瞬間を創りたいんだ」。 社長が自身の人生の喜びや、顧客に貢献することの「愉しさ」を熱量を持って伝えること。その「透明な志」が社員の心に灯ったとき、制度は初めて魂を宿した道具へと変わります。

そして「社内学校」では、各部門の先輩社員が「やり方」を教えるだけでなく、「この仕事のどこに面白さを感じているか」「お客様の笑顔が自分の幸せにどう繋がっているか」という「生き様」を語り継ぐべきです。社内学校の真の目的は、スキルアップではなく「働く意味の共鳴」にあります。先輩が愉しそうに働き、後輩を支える「助け合い」の空気。これが現場に根付いたとき、ウェルビーイングは「制度」から「組織の深部に根付く資産」へと進化します。

ー2026年、ウェルビーイングは「最強の通貨」になる

AIが効率を極める2026年において、人間に残された最後の、そして最大の競争優位性は「情熱」と「創造性」です。そして、その二つは「心の底から愉しんでいる状態」でしか発揮されません。

社長、あなたの会社のウェルビーイングは、まだ「建前」に留まっていませんか。 社員は、社長の顔色をうかがう「やらされ幸福」の仮面を被ってはいませんか。 属人的な経営から、再現可能な持続的経営への進化を目指すなら、今すぐ現場の空気を点検してください。

空気を資産化する未来戦略。それは、社員一人ひとりが「この場所で働けて幸せだ」と無意識に感じ、その喜びがお客様に伝播していく仕組みを作ることです。長期成長を決定づけるのは、商品やサービスではなく、そこで働く人間が放つ「健やかな空気」の残高なのです。

ー勝田耕司