「なぜあの会社には、お客様が戻ってくるのか?──顧客が離れない“空気”の仕組み」
こんにちは!
透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
「リピートされる理由」は、商品だけではない
あなたも、こんな経験があるはずです。
──味はそこそこ。でも、なんだかまた行きたくなるお店。
──少し高いけれど、つい同じ会社に頼んでしまうサービス。
──商品は他と似ているのに、なぜか“そこ”じゃないとしっくりこない。
この“不思議な引力”の正体は、いったい何か?
答えは、空気です。
商品やサービスの差がつきにくくなった時代
現代は、あらゆる商品・サービスがコモディティ化(=差別化困難)しています。
技術も品質も、すぐに模倣されます。
それなのに、なぜか「選ばれ続ける会社」がある。
それは、空気が差別化要因になっているからです。
「空気で選ばれる会社」は、目に見えない信頼や安心を積み重ね、
お客様の“無意識の選択”に入り込んでいるのです。
お客様が離れる会社の3つの空気
私がこれまで分析・現場支援してきた中で、
“顧客が離れる会社”には、ある共通した空気感があります。
① “売る側の都合”がにじみ出ている
商品やサービスはよくても、対応が「効率重視」や「売上都合」に寄っていると、
お客様は「利用されている」と感じてしまいます。
② スタッフの“余裕のなさ”が伝わってくる
忙しさやギスギスした社内空気が、そのまま接客や対応に反映されます。
お客様は敏感です。「大切にされていない」と感じた瞬間、次はありません。
③ “ありがとう”の重みが感じられない
感謝は、形式的では意味がありません。
心がこもっているか、スタッフ全員が自然にそう思っているか──
この“会社の空気”は、一瞬で伝わります。
顧客が離れない会社には「空気の仕掛け」がある
では逆に、「なぜかまた来たくなる」会社は何をしているのか?
答えは、空気を設計していることにあります。
◎事例1:飲食チェーンD社(関東圏/店舗数12)
同じメニュー・価格帯の競合が近隣に3店舗。
にもかかわらず、D社だけが2年連続売上増。
その理由は、「挨拶の質と順番を設計」していたことにありました。
・店内では社員とアルバイトが毎朝“お客様役”と“迎える役”でロールプレイ
・「ありがとうございました」の後に「またお待ちしています」を必ず添える
・店長が“空気の温度”を日報で記録し、毎週改善ミーティング
数値ではなく、“空気の温度”を指標にしていたのです。
◎事例2:物流業E社(社員数80名)
電話応対、配送時の対応、クレーム発生時の初動対応など、
すべてに「空気を伝える言葉」を入れていました。
たとえば…
・クレームに対して「ご不便をおかけして、申し訳ありません」と言うだけでなく、
→「このようなご不安を与えてしまったことが、本当に心苦しいです」と“心の奥”に触れる言葉に。
・ドライバーに対し「お客様との雑談1回でもいいから記録する」を推奨。
結果、3年間で契約解除ゼロ。顧客満足調査でも常に上位に。
「空気の力」でつながると、価格競争に巻き込まれない
空気でつながっている顧客は、「価格」だけでは離れません。
他社が少し安くても、なんとなく“そこ”を選ぶ。
なぜか?
それは、顧客が“感情的資産”を投資しているからです。
「感じがいい」
「対応が丁寧」
「スタッフが活き活きしている」
こうした印象は、感情の預け入れ。
つまり、顧客の“心理口座”に、企業が預金しているようなものです。
そしてこの“残高”がある限り、お客様は離れません。
「空気」を意図的につくることが、未来のブランディング
かつては「ブランド=ロゴや広告」でした。
いまは違います。
ブランドとは、“空気”の積み重ねです。
・ 電話対応ひとつ
・ 待合室の雰囲気
・ 名刺交換の所作
・ 表情、声のトーン
すべてが、「この会社らしさ」として伝わっていきます。
だからこそ、全社員が同じ空気をまとうために透明資産の設計と運用が必要なのです。
最後に──お客様は「空気」を買っている
「なぜか、また行きたくなる」
「理由はよくわからないけど、あそこがいい」
この“言葉にできない好感”こそが、企業にとって最大の資産です。
そしてそれは、意図して設計できるのです。
あなたの会社の空気は、お客様を惹きつけていますか?
それとも、知らず知らずに遠ざけていませんか?
売上は「空気の結果」。
『透明資産』を経営に取り入れることが、
顧客の心をつなぎ、未来を築く第一歩です。
ー勝田耕司