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COLUMNコラム

「ヒトサラ×料理王国」 ~料理人2000人が選んだ名店べスト10 ①

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料理人の顔が見えるグルメサイト「ヒトサラ」が、
シェフやオーナー、料理評論家から
一般の食通まで幅広い読者層の
「料理王国」とタイアップした
【特選レストラン104】より名店たちをご紹介します。

目次

1. 渋谷区・外苑前 / フランス料理

2. 渋谷区・表参道 / フランス料理

3. 港区・新橋 / フランス料理

1.渋谷区・外苑前 / フランス料理

「フロリレージュ」 川手寛康さん

オープンキッチン・カウンターから生み出されるモダンフレンチ
一段低くなったオープンキッチンを、コの字型にカウンター席が取り囲む。

ゲストたちは、正面から横から、まるでショーを見るように、
シェフやスタッフたちが次々と料理を生み出す様子を楽しむことができる。

フレンチレストランとしては、
斬新すぎるレイアウトのキッチンで、
腕をふるうのはシェフの川手寛康さん。

「ル・ブルギニオン」、「カンテサンス」と
東京のフランス料理界をけん引する、ふたつのレストランで
スーシェフを務めあげ、独立した実力者である。

オープン以来、人気店として名を馳せてきた「フロリレージュ」も6年目。
ようやく余裕ができて、フランス料理とは何かを
より深く考えるようになってきた、と川手さんは言う。

「いまの私にとって、フランス料理とは
『パッション』を持って日本を表現すること。
日本の食材、伝統、考え方など日本の力を信じて、
独自のフランス料理を表現できたら、と思っています。
迷うこともあります。
ここで慣れ親しんだフランスの食材を使いたいとか。
でもこうしたことが日本の食材で使えるものがあるのでは、
とアイデアを生み出すいい機会になります。」

現在、提供するのはコースのみ、ランチ7品、ディナー11品。

素材を生かしながら、
川手さんならではのテクニックで驚きの一品に仕上げる。

そんな川手さんが、
いま関心を持っているのが「持続性可能なレストラン」。

そのひとつの現れが、今回作ってくれた料理
「要素 牛」だ。肉はお産を経た経産牛。

通常、経産牛はお役が終わると加工牛とされてしまう。
しかしその肉は、一部グルメの間では風味が良いとの評価もある。

「いままで使うことがなかった
黒毛の経産牛をフレンチでどう料理するか。
こうした食材をおいしく料理するのも料理人です。
また料理で出る野菜の切れ端も、コンソメに使うなど、
なるべく廃棄しないようにする。
そんなことも考えています。」と熱く語る。

新たなフェーズに突入した、
注目シェフの料理をぜひ召し上がれ。
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2.渋谷区・表参道 / フランス料理

「ラ・ブランシュ」 田代和久さん

日本人の味覚に合ったフランス料理を居心地抜群の空間でいただく
地下鉄・表参道駅から徒歩10分ほどの青山学院大学横手の白いビル。
野の花の鉢が並ぶ外階段を上がると、
「ラ・ブランシュ」が迎えてくれる。

「オープン当時から、これぞと思う食材を見つけたら、
どうすれば旨くなるのか、試行錯誤を続けてきました。
いつも白紙の気持ちで自分の料理を作っていきたい。
店名『ブランシュ(白)』にはこの想いを込めました」

こう語るオーナー・シェフの田代和久さんは、
36歳で独立した当時の初心を今なお、大切にしている。

落ち着いた店のしつらいやスタッフのサービスが心地よい。

そして、「イワシとジャガ芋の重ね焼き」
「川俣シャモの黒米づめ」「千代幻豚のロティ」
などのスペシャリテが多くのグルメを虜にしているのだ。

さらに、秋からのオススメのひと皿が、
「サワラのミ・キュイ、ビーツのヴィネグレット」。

「ミ・キュイ」とは「ほどよく焼く」という意味だが、
この焼き加減が抜群だ。

サワラは、山形・庄内の一本釣りの漁師が釣り上げたもの。

「このサワラは、身のほわっとした味わいが余韻となって広がります。」

サワラに合わせるのは、「野菜使いの名人」田代シェフならではの
ビーツのヴィネッグレット(ソース)。
深みのある味と赤い色が素晴らしい。
その甘酸っぱさがサワラの味わいをより芳醇に導く。

「食材の持つ力に刺激され、私自身の感性を大切にしながら
料理を作らせてもらっています。」

その「田代の皿」を、淡い外光が注ぐ店内でいただく至福のひととき。
手作りのパンもじつに旨い。

大らかなシェフの笑顔に送られて外階段を下りるとき、
次に訪れる日が待ち遠しくなっている。

そんな心惹かれる名店「ラ・ブランシュ」は、
2016年で開店30周年を迎える。

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3.港区・新橋 / フランス料理

「レストラン ラ フィネス」 杉本敬三さん

卓越した技と知識を駆使して、ひと皿で感動と驚きを与える。

新橋駅の喧騒を抜けたオフィスビルの地下1階に降りると、
シンプルな木目調の扉を“FS”文字が飾る。
ここが、プロの料理人も注目する「レストラン ラ フィネス」。

腕をふるうのはオーナーシェフ杉本敬三さんだ。
「私がおいしいを思うのは、料理人の技術が冴えた料理。
最大限にそのおいしさを引き出すために、
使う素材を尊び、丁寧に手をかける。
料理人の心がこもったものです。」

杉本さんの料理はこの言葉通りであり、この店の魅力でもある。

単身渡仏し、12年間の修行でフランス料理の基礎をしっかり身につけ帰国。
フランス語で“独学者”を意味する
「A UTO DI DA CTE(オトデェダクト)がコンセプト。

レシピを持たないことを信条とする
杉本さんが使う素材は希少なものばかり。

その時限りの料理だからこそ、最上の技術を駆使し、
丁寧に調理して、自らテーブルへと運ぶ。
そして、素材の産地や調理方法を
ゲストに説明するスタイルをとっている。

一見、料理はシンプルに見えるが、
驚くほどの手間暇と時間がかかっている。

今回の料理「ハモとアワビと松茸のポトフ」では、
508本のハモの中骨を1本1本抜き、
黒アワビはシャンパンとコンソメで約1時間煮る。

さらに、青森特産地鶏シャモロック20㎏を香味野菜とともに
4ℓになるまでじっくり煮詰めたコンソメで、
最後にハモ、黒アワビ、松茸を煮込む。

そこにすったユズの皮をちらし、
ガラスのクローシュ(蓋)をかぶせて香りを閉じ込めるのだ。
口にするコンソメは上品な和風出汁を思わせる。

しかし、添えられた自家製のバターを溶かすと、
濃厚なソースとなりフランス料理の味わいへと変化する。

食材に対する豊富な知識と卓越した技によって作り出される料理と、
自身の美学を貫いた空間が織りなす世界は、まさに“杉本劇場”。

ひと皿で驚きと感動を体感できる場所だ。

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次回は、4位のシェフたちをご紹介します。

出典:『料理王国12月号増刊 2000人のシェフに認められた特選レストラン104』

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