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COLUMNコラム

商品にまつわる「ストーリー」こそ透明資産。 それを雄弁に物語る「珍來」の90余年の歩み

「看板商品」が真のキラーコンテンツとなるためには、メニューに対する経営者やスタッフの強い思い入れがなければなりません。

 

その思い入れは、商品にまつわる「ストーリー」があるからこそ醸成されるものです。

 

商品がどのようにしてできあがったのか、そこにどのような思い入れがあるのかというストーリーこそが、本当に大切にすべき「透明資産」なのです。

 

千葉県船橋市を本拠とする町中華チェーン「珍來」は、そのことを示す好例といえます。

 

珍來のキラーコンテンツは自社製造の麺。小麦粉には、不純物を含まない一等粉を使用し日清製粉社との共同開発によって生まれた中華麺専用粉です。これは、日本酒に例えると純米吟醸酒といえる最高級品です。

 

製麺は、創業以来一貫して多加水製法にこだわっています。なので、シコシコ・ツヤツヤ・モチモチした食感が特徴の麺に仕上がっています。さらに、深夜に製麺したものを早朝に各店に配送するというこだわりを貫いています。

 

それが昭和3年の創業以来90年以上の長きにわたって地元のお客様から愛されている理由ですが、そうした珍來ならではのこだわりを象徴するストーリーが、このチェーンを特別な存在にしています。

 

珍來は直営9店(千葉県・茨城県)の運営の他に、自社製造の麺をラーメン店に販売する事業を早くから手がけていました。

 

第二次世界大戦中は一時的に営業を中断していましたが、終戦後はいち早く事業を再開。当時、「一人でも多くのお客さまにおいしいラーメンを食べていただきたい」という創業者の思いから、麺の取引契約をしたすべての店に「珍來」の暖簾を提供したといいます。

 

それが関東一円に珍來の看板を掲げる店が多数存在している理由。いまではその数は数百店以上に達しているとも言われ、ラーメン界の一大勢力となっています。

 

珍來ホームページには、こういったこだわりとともに、創業者・清水清氏のストーリーも掲載されており、創業からの歴史を大切にする姿勢が伝わってきます。

 

こうした企業と店にまつわるストーリー、そして「お客さまにおいしいものを提供したい」という強い思いこそ、珍來を支えてきた透明資産です。

透明資産を育て、その強みを生かすことで珍來は幾多の試練を乗り越えて成長を続けてきたわけです。

 

そうして積み上げた歴史はもうすぐ100年。日本の全企業に占める「100年企業」の比率は3%に満たないと言われます。

 

この数字もまた、透明資産の大切さを示しているといえるでしょう。

 

ー勝田耕司

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