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COLUMNコラム

「ヒトサラ×料理王国」 ~料理人2000人が選んだ名店べスト10 ②

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前回に引き続き、【特選レストラン104】より
シェフを3名ご紹介します。

目次

1. 港区・白金高輪 /フランス料理

2. 新宿区・四谷3丁目 / フランス料理

3. 千代田区・市ヶ谷 / フランス料理

1.港区・白金高輪 /フランス料理

「コート・ドール」 斉須政雄さん

「私の料理は、時代の潮流におもねたものではありません。
自分の経験、人生の中で思い出の深い料理。

この料理を再現したいと思ったものを、
自分なりの感性で表現しています。

また、長年作っているメニューも、表面上の変化はなくても、
無駄なものはそぎ落としていっています。」と、語るのは斉須政雄さん。

フランス料理の名店「コート・ドール」の
シェフとして厨房に立ち続けている。

斉須さんの料理はシンプルかつ、シャープ。

その真髄は「オックステールの赤ワイン煮」
「赤ピーマンのムース」「エイとキャベツ」などのスペシャリテで味わえる。

またスペシャリテのひとつ
「梅干しとシソのスープ」では、その発想の自由さに驚かされる。

おおよそのフランス料理らしからぬ食材の組み合わせ。

この料理は斉須さんが子どものころ食べていた思い出深いおやつ、
赤しそ梅干しからインスパイアされたものだという。

「私の中に高邁な意識はありません。

あまりに当たり前すぎて気が付かなかった食材や、
これを使ってみたいという食材に出会うとわくわくします。
新しいメニューの導火線は、いっぱいあるんですよ。

ただ日常に埋没しているものを、拾い上げて抱き合わせて、
それを四角にしたり三角にしたりする作業を
味覚の中でやって新しいメニューを考えています。

飽きないように、マンネリにならないように挑戦は続けています。」と斎野さん。

ベテランながら、現状に満足することなく、
いまなお、チャレンジャーとして料理に対峙している。
料理も含めて「コード・ドール」の世界観もぜひ堪能してほしい。

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2.新宿区・四谷3丁目 / フランス料理

「レスプリ・ミタニ ア ゲタリ」 三谷青吾さん

2014年10月に、六本木ヒルズから四谷三丁目の
閑静な住宅地へと移転し、リニューアルオープンした
「レスプリ・ミタリ ア ゲタリ」。

このレストランのシェフは三谷青吾さん。
フランスの伝統に根付く、力強い料理には定評がある。

「基本的に、このレストランで提供する料理は、
自分が食べたいものです。
今日の『ロニョン・オ・シャブリ』も、
僕がパリで修行中に食べて感激した、
一番好きな内臓料理。

フランスでは家庭で作られたり、
惣菜屋で売っていたりする庶民的な料理です。

初めて食べたとき、今まで修行していた繊細な料理とは
別のフランス料理の世界があるんだ、と衝撃を受けました。

僕の好きなものはボリュームも味もしっかりとした、
普段地元の人が食べる煮込みのような、
伝統的なフランス料理だとも気づかされました。

ここ数年、進化するのが、フレンチと言われて久しいのですが、
僕が料理するのは進化しないフレンチです」と三谷さん。

良質な食材で、その食べごろを厳密に見定め、
火入れと塩味が決まっていれば、それだけで十分と、
食材はフランス産にこだわり、空輸したものを使う。

肉はほとんどがフランス産かイタリア産。
キノコもフランスの天然物だ。

もちろん国産にも良質の食材はあるが、
フランス産の濃厚な味わい、香りとは異なるという。

昔から引き継がれている、本場フランス料理の味を守り、
伝え続けるシェフにとって、
フランス産の食材は欠かせないもののようだ。

「僕の料理の味付けを、日本人向けにはしていませんが、だから濃いと感じる人も
いるかもしれません。でも変えることなく30年以上この味で作り続けています。」

ぶれることがなく、芯が通った料理のポリシーこそが、
多くの人々を惹きつける理由である。

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3.千代田区・市ヶ谷 / フランス料理

多くの大使館が集まり、
フレンチやイタリアンの店が軒を連ねる市ヶ谷。

この都内有数のレストラン激戦区で、
”本場フランスの味に会える店“として
人気を集めるのが、「シェ オリビエ」。

2009年にオープンし、わずか4年でミシュランの一ツ星に輝いた、
この店のオーナーでもあるオリビエ・オドスさん。

「フランス人の私が東京で店を開いたことを
不思議に思われるかもしれません。

来日して日本を好きになったというのもありますが、
日本料理の奥深さや豊かな食材に魅せられたのです。

さらに東京ほど世界の料理を味わえる街はありません。

それだけに人々の食への探求心が、
私にこの街でチャレンジすることを決心させたのです」とオリビエさん。

「ラ・トゥール・ダルジャン」のスーシェフとして
腕を奮った経歴があるオリビエさんの料理ベースは
クラシックなフランス料理。

その伝統を守りつつも、オリジナリティあふれた
料理へと進化させている。

「東京であろうと、パリであろうと私は
自分の料理を作ろうと思っています。

何より大切にしているのは、素材本来のおいしさを引き出すこと。

そのためにフランス料理にとって
重要なソースキュイッソン(火入れ)に力を入れています。

盛り付けはシンプルに。
お皿の主役が何かをちゃんと見ていただきたい」と話す。

それはオリビエさんの素材に対するリスペクトだ。

店の名前である「シェ オリビエ」は直訳すると「オリビエの家」。

お店の外観は赤を基調としたビストロ風のたたずまい。

「リラックスした雰囲気の中で、気軽に本物のフレンチを
リーズナブルな価格で楽しんで欲しい」、それもこの店のコンセプト。

本場のフレンチを味わううちに、一瞬、
東京であることを忘れてしまいそうになる、
そんなレストランだ。

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出典:『料理王国12月号増刊 2000人のシェフに認められた特選レストラン104』

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