『透明資産』経営のススメ【透明資産経営のススメ】ギグワーク・副業時代の「帰属意識」――「組織の壁」が消える中で、なお人を惹きつける磁力(空気)の正体

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。

ー「囲い込み」が通用しない、2026年の人材流動

経営者の皆様、社外の優秀なギグワーカーや副業人材を活用する中で、「彼らがいまいち自分事として動いてくれない」「チームとしての連帯感が生まれない」といった壁にぶつかってはいないでしょうか。あるいは、自社の社員が副業に精を出すのを見て、「帰属意識が薄れているのではないか」と不安を感じてはいないでしょうか。

2026年の今、企業と個人の関係は「主従」から「対等なパートナーシップ」へと完全に移行しました。かつての終身雇用を前提とした「忠誠心」という名の重力は消え去り、人々は自らの価値観やキャリアの目的に合致する場所を、渡り鳥のように軽やかに選び取ります。

このような「組織の壁」が溶けていく時代において、人を動かすのは、制度による囲い込みでも、高額な報酬という名の鎖でもありません。そこにあるのは、言葉を超えた「空気の磁力」です。バラバラな場所にいながらも、「この空気の中にいたい」「この指に止まりたい」と無意識に思わせる透明資産こそが、2026年における新しい帰属意識の正体なのです。

ー磁力の正体は「情報の公明正大」と「意味の共有」

多様な働き方のメンバーを一つのチームとして機能させるためには、まず「情報の透明性」が不可欠です。社内の人間だけが知っている情報や、不透明な意思決定プロセスがある組織では、外部人材や副業メンバーは疎外感を感じ、瞬時に心を閉ざします。

「透明資産経営」を実践する組織では、雇用形態に関わらず、目的達成に必要な情報を徹底してオープンにします。誰が、何のために、どのような想いでこのプロジェクトを動かしているのか。この「情報の公明正大」こそが、物理的な距離を超えて「私たちは同じ船に乗っている」という連帯感を生む土台となります。

さらに重要なのは、単なる「作業」の発注ではなく、「意味」の共有です。 2026年の最新トレンドである「人間中心(People-Centric)」の経営では、AIが代替できる「やり方」を管理するのではなく、人間にしか生み出せない「在り方(パーパス)」に共鳴させることが磁力の核となります。 「この仕事は、社会のこんな不条理を解決するためにある」。 この透明な志が空気として共有されているとき、ギグワーカーも副業人材も、自らの意志で120%の力を発揮し、組織の「一部」としての誇りを持つようになります。

ー「空気」は制度や評価より先に、人を強く動かす

多くの経営者は、外部人材を活用する際に「どう管理し、どう評価するか」という制度設計から入りがちです。しかし、「空気」は実は最も社員たちを強く動かす原動力です 。どれほど完璧な契約書を交わしても、現場に流れる空気が「外部の人間は便利屋だ」という不透明な排他性に満ちていれば、彼らの才能は開花しません。逆に、「あなたの視点が、この組織を新しくする」という「新奇歓迎(新)」の空気が整っていれば、彼らは自発的に知恵を出し、化学反応を起こします。

「空気→従業員(パートナー)→お客様→業績アップ」という好循環は、雇用形態の枠を超えて適用されます 。多様な個性が混ざり合いながらも、一つの澄み切った空気の中で響き合う状態。この「心理的安全性が高く、かつ志が高い空気」こそが、2030年に向けて、世界中から優秀な才能を引き寄せる最強の資産となるのです。

ー社長塾と社内学校が「心のハブ」になる

組織の壁が消える時代だからこそ、経営者は「社長塾」の機能を拡張しなければなりません。社長塾とは、今や「社内」のためだけのものではありません。副業人材や外部パートナーも含めた、関わるすべての人々に対して、社長が「在り方」を語り、魂を共鳴させる「心のハブ」となるべき場です。 「雇用関係がどうあれ、私の志に共鳴してくれる人は皆、同志だ」。 この社長の透明な抱擁力が、組織に強力な磁力を与えます。

そして「社内学校」は、スキルを教える場から、組織独自の「文脈(コンテキスト)」や「空気の作法」を共有する場へと進化します。新しく入ってきたパートナーが、短期間で「この店の、この会社の、感じのいい空気」の創り手になれるよう、先輩たちが生き様を通じてやり方を伝承する 。これにより、属人的な経営から、どんな働き方の人が加わっても「透明資産」が損なわれない再現可能な持続的経営へと進化できるのです 。

ー2026年、空気という資産が「最高の報酬」になる

2026年、人々はおカネのためだけに働くことに限界を感じ始めています。彼らが求めているのは、自分の存在が認められ、刺激的な仲間に囲まれ、素晴らしい空気の中で何かに没頭できる「体験」そのものです。あなたの組織には、社外の人が「お金を払ってでも参加したい」と思うような、魅力的な空気が流れていますか。 「入りたくなる空気感」を設計することは、お客様を集めるだけでなく、最高の才能を集める未来戦略そのものです 。

雇用という契約を超え、空気という名の透明な絆で結ばれたチーム。そんな、境界線のない生命体のような組織こそが、2026年以降の不確実な時代を最も軽やかに、そして力強く突き進んでいくのです。

ー勝田耕司