「“採用できる会社”は何が違うのか?──空気で惹きつけるブランディング採用」
こんにちは、
透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
求人広告を出しても、人が来ない時代に、
「給与も福利厚生も悪くないのに、応募が来ない」
「内定を出しても、直前で辞退されてしまう」
「SNSでは発信しているのに、“いいね”はされても応募に至らない」
そんな採用の悩みを抱える企業が、いま急増しています。
一方で、特別な条件や知名度があるわけでもないのに、
なぜか“人が集まる会社”が存在します。
この違いは何か?
答えは、空気です。
採用における“空気”の正体
求職者が企業を選ぶとき、どんな基準で選んでいるかをご存知でしょうか?
採用支援大手マイナビが2024年に発表した「就職活動意識調査」によれば、
学生や求職者が企業を判断する基準は、次のようになっています。
社員の雰囲気・人間関係
自分が活躍できそうな空気
会社の価値観・理念への共感
成長環境や挑戦できる土壌
給与や待遇
つまり、待遇よりも“空気感”が重視されているのです。
これは中途採用でも同様。
年収よりも「人間関係」「社風」「一緒に働く人」で選ぶ傾向が顕著です。
「空気の魅力」が採用力を決める
では、空気の良さはどこで判断されるのか?
求職者は、以下の“接点”で会社の空気を感じ取っています。
◎【会社のSNS発信】
→ 写真・動画・文体のトーンから、社内の雰囲気を察知。
“やらされ感”のある投稿と、“楽しそうな空気”のある投稿は一目瞭然です。
◎【面接での印象】
→ 面接官の表情・リアクション・語り口から、空気感が伝わる。
「この人と働きたいと思えたか」が合否よりも強く記憶されます。
◎【会社見学・オフィスの雰囲気】
→ 挨拶の有無、雑談の自然さ、掲示物の内容、空間のデザイン。
五感で“この会社の空気”を感じ取る場面です。
◎【内定後のフォロー対応】
→ 対応が事務的か、温かみがあるかで、「この会社を選んでよかったか」が決まる。
フォローの“空気”が辞退率を左右します。
これらの“目に見えない印象の集積”こそ、
透明資産としての「採用空気力」なのです。
空気で採用ブランディングをしている企業事例
ここで、私が支援した企業事例をご紹介します。
<事例>物流会社F社(社員数65名)
採用難で3年連続応募ゼロ。求人広告に何度も投資するも無反応。
しかし、あることを始めてから応募者が増え、採用数を確保できるようになった。
その取り組みとは──
社内の日常風景をスマホで撮影し、SNSで週1投稿
社長が「社員インタビュー動画」に登場して価値観を語る
面接で会社の理念・空気の話をし、「社員の紹介」も一緒に行う
結果、会社の「感じの良さ」が“伝わる空気”になり、応募数が3倍に。
求職者の声はこう言葉にしてました。
「他の会社は条件ばかり。ここは“どんな人が働いているか”がわかって安心できた」
<事例>飲食チェーンG社(店舗数9)
アルバイトが採れない。辞退も多い。
しかし、「空気の見える化」を始めたことで定着率が上昇。
面接で店長の趣味や価値観を話すようにした
店内に“笑顔フォト”や“お客様の声”を掲示
アルバイトの出勤前後に「今日の空気」を聞き取るメモ欄を設置
結果、「この店、雰囲気がいい」という口コミが自然発生。
紹介応募や“リピーター採用”が生まれた。
空気の魅力は“演出”できる
「うちは小さな会社だから…」
「特別なブランディング予算もないし…」
そんな方こそ、『透明資産』としての空気づくりに取り組む価値があります。
なぜなら、空気の演出は、お金より“意図”が決め手だからです。
以下は、どんな企業でもすぐに始められる“空気ブランディング”の例です。
- 社員紹介カードをつくり、待合・面接時に設置
→ 名前・趣味・大切にしている言葉・ちょっとしたストーリー
- 面接官は“その人らしさ”を伝えるトークを入れる
→ 経歴ではなく、「なぜこの会社にいるのか」「何が楽しいのか」
- SNSで“空気が伝わる瞬間”を切り取る
→ 社内イベント、ランチ、サプライズ、雑談、嬉しかった出来事など
- 内定者フォローに“空気の言葉”を添える
→ 「あなたが入ってくれるのが嬉しい」と“人に対する喜び”を伝える
これらは、全て“空気を可視化・言語化・伝達”する仕掛けです。
採用の本質は、“条件提示”ではなく“空気の共有”なのです。
最後に──採用とは「空気との出会い」である
会社は、理念や制度だけで選ばれる時代ではありません。
選ばれるのは、“感じのいい空気”をまとう組織です。
求職者は、求人票の文字以上に、
「この会社と関わりたいか?」という感覚で選んでいます。
その感覚に訴えるのが、透明資産という空気の魅力です。
空気は、選ばれる。
空気は、惹きつける。
空気は、伝えられる。
あなたの会社の採用にも、空気を“意図してデザインする力”を取り入れてみませんか?
―勝田耕司